私の大切で大好きな国、中国

2022-10-26 11:33:39
赤松 桜花

「中国ってどんな国?」

と急に聞かれたら皆さんはどう答えますか。ある人は万里の長城がある国と答えるかもしれません。また、ある人は高い技術力を持つ国と答えるかもしれません。私は迷いなくこれまでもこれからも大好きな国だと答えます。

私は小学校一年生から四年生までの四年間を中国の上海で過ごしました。

一年生になる春休みに胸が躍るような楽しい気持ちを抱えて母と一緒に一足先に上海に住んでいた父の元へ向かいました。飛行機から降りて手荷物受取口に着いたら周りの皆が中国語を話していることに気がつきました。幼かった私は外国で暮らすということを急に実感して不安になり涙が止まりませんでした。すると空港で働いている従業員の方や乗客の方が私に話しかけ慰めてくださいました。言葉は分からなかったけど安心しました。この後から不安を一度も感じず過ごせました。

私が上海で電車やバスに乗った時、両親とはもちろん日本語で話していました。だから他の乗客の方は私達が日本人だと分かったと思います。しかし日本人だということを気にせずに子供だからと言って席を譲ってくださったり話しかけてくださったりしました。また、簡単な中国語しか話せない私に中国語が上手だと褒めてくださる人が多くて自分に自信がつきました。

日本では恥ずかしくて泣いている子供を慰めたり席を譲ったり人を褒めたりする人が少ないです。でも、中国では皆が普通の行動として日常的にやっていました。私は中国の方々のこの様な行動に何度も喜び何度も助けられました。だから私も少し恥ずかしいけれど見習って行動するようにしています。中国で暮らした四年間は楽しくて幸せだっただけでなく沢山の事を学んだ貴重な時間でした。

私が友達などに中国に住んでいた事を話すと中国が嫌い、中国人が嫌いなどと言われることがあります。そのたびになぜ嫌うのかが分からなくて辛くなります。また、中国でも日本人だと分かったら冷たくなってしまう方が少なからず居ました。当時はどうしてか分かりませんでした。けれど年月がたって過去に日本が中国の方々に対して許されない残虐な行為をしていたのかを学びました。申し訳ないと感じると同時に過去の歴史は変えられないと思うと辛くなります。中国にも日本にも互いの国を嫌いな人がいる事は事実です。「嫌い」の感情を「好き」にするのは難しいかもしれません。だから少しでも良い所や素敵な所を見つけられると良いと思います。このために私に出来ることは日本の人に中国や中国の人々の良さを伝えることなのでめげずに頑張ろうと決心しています。

今年2022年は中国と日本が国交正常化を実現してからちょうど50年になります。今、私は16歳で将来のことは分からないし考えるのは怖いとさえ感じています。ただ一つ心に決めているのは、どんな形だとしても私の大切で大好きな国である中国と関わって生きるということです。この目標を達成するために日々中国語の勉強を怠らず中国で学んだことを胸に刻んで生活します。

 

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