日本をリードする技術

2023-10-23 17:33:00

田中 玲名


これが中国のゲーム?そんな感想を抱いたのは三年前のことだった。私は生まれた時から両親や周りにいた友人たちの影響を受け、ゲームをすることが大好きな女の子として育ち、今まで幅広いジャンルのゲームをプレイしてきた。

その中でも、RPGと呼ばれる主人公を操作して敵と戦ったり、スキルや必殺技のレベルを上げたり、目的を達成するために行動するスタイルのゲームが好きで、特に任天堂が発表した「ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド」は好きなゲームランキングの三本指に入るほどであった。

しかし、二〇二〇年にリリースされた中国産のゲーム「原神」をプレイしてそのランキングは変動した。原神を知ったのは、同じ趣味を持った友人から原神やってみてよと勧められたのがきっかけだった。このゲームを知るまでは、日本は中国に比べて技術面や生活面などのあらゆる点において発展しているので、中国にこんなにも作り込まれたゲームを作れるわけがないと考えていた。

その理由は、日本の商品をさも自分たちが作り上げたようにコピーし、大量生産しているからだ。私はデザインを担当したわけでもなければ、何か発明をしたわけでもない。けれど、自国の商品がぞんざいに扱われていることを知り、中国はコピーすることしか能がない国という印象しか抱くことができなかった。しかし、原神は今までにプレイしてきたものとは大きく異なっていた。中国だけでなくアジアや欧米にわたって多くの人にプレイされている原神は、プレイヤーは移動の制限なく自由に動き回ることのできるオープンワールドと呼ばれるデザインで、ルールに縛られることなく自分なりに動き、楽しむことができる。ストーリーはとても緻密なもので何度も見返して考えたくなるようなものであり、ゲーム中に流れる音楽は場所や状況によって千変万化し、世界で屈指の交響楽団によって収録されている。特に、中国がモチーフとなっている璃月という地域では中国楽器が用いられていて、中国特有の絢爛豪華なイメージが浮かび上がるバックミュージックが流れるので大変気に入っている。また、多言語で遊ぶことができることもプレイヤーにとっては嬉しい要素の一つである。原神を日本の一般的なゲームと比較すると、一人一人のキャラクターの装飾はとても繊細でかつ、攻撃モーションがそれぞれのキャラクターの性格や特徴に当てはまっていてアクロバティックに動くだけなく、綺麗なエフェクトは他に見ないものであり、私はすぐに原神の虜になった。

今、中国は日本よりも目まぐるしい発展を遂げている。少し前には東京の新宿に猫が飛び出しているように見える広告がテレビやインターネットで一時期話題になった。しかし、すでに中国では立体的に見える広告が作られていた。確かに、中国は日本が法隆寺を建てる前から万里の長城と呼ばれる大きな壁を築き上げていているように、何千年前から中国は卓越した技術を持っている。

先述したゲームだけに限らず、経済、技術、社会といったあらゆる場面で日本よりも秀でた技術を持っているように思える。私は現在大学一年生で、第二言語として中国語を履修し、学んでいる。中国語を学ぶ過程を通して、中国人はメンツを大事にしたり、体を冷やさないために常温の飲み物を好んだりなど、中国人の性格や文化を少し掴むことができたように感じた。でありながら、中国人の先生が話してくださることやインターネット、書籍の中で知った外側の知識でとどまっているため、内側の中国の実態はわからない。だから、自分の感性を磨き、視野を広げるため早いうちに中国に渡航し、そこにしかない本物を見て、中国の今までとこれからの進歩をこの目で見納めたい。


 

 

人民中国  2023年10月25日


 

 

 

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