新しい形による中日言語文化の交流と共有
北京師範大学外国語言文学学院日文系、日語教育教学研究所が主催し、日本の筑波大学人文社会系リサーチユニットなどが共催した2校の学術交流会10周年記念シンポジウムが3月10日、北京師範大学で開催された。本シンポジウムのテーマは「新しい形による中日言語文化の交流と共有」であり、中国、日本、韓国の大学の教師や学生、学者がオンライン・オフライン連動でシンポジウムに参加した。
同日午前の開幕式で、北京師範大学外国語言文学学院の苗興偉院長と筑波大学グローバルコミュニケーション教育センター長の小野正樹氏は、双方の10年以上にわたるたゆまぬ学術交流とその成果を大いに賞賛し、今後のさらなる交流と協力の拡大に期待を寄せた。午後の閉会式では、筑波大学名誉教授の坪井美樹氏が今回と歴代のシンポジウムの学術的意義を高く評価し、北京師範大学外国語言文学学院日語教育教学研究所の冷麗敏所長が今回の会議を全体的に評価した。また、開幕式と閉幕式はそれぞれ北京師範大学外国語言文学学院日文系の張林主任と筑波大学人文社会系リサーチユニットの橋本修教授が司会を務めた。
シンポジウムでは、筑波大学名誉教授の沼田善子氏と矢澤真人氏がそれぞれ「とりたてと対照研究」と「user driven の動的辞書をめざして―小学生用類語辞典の開発を例に―」をテーマに基調講演を行った。招待講演では韓国・祥明大学の張根寿教授が「言語・文化コミュニケーションの試み—韓国の事例から―」と題し、韓国の大学における対外交流課程について論じた。北京師範大学外国語言文学学院日文系の劉玲教授は「『三体詩幻雲抄』に見る抄物資料の広がり―皇甫冉『送魏十六』に関する注釈を読み解く」と題する講演で、室町時代の日本の僧侶による唐詩注釈には中日文化交流の情報が大量に含まれていることを指摘した。また、千葉大学の安部朋世教授と筑波大学の橋本修教授が共同で、「接続詞出現の文法環境に配慮した教材の提示について」とのテーマで最新の成果を発表した。そのほか、北京師範大学と筑波大学の青年学者、在学生、卒業生26人がそれぞれ論文発表を行った。
東京師範学校を前身とする筑波大学の人文学部と北京師範大学の日文系は、2010年から2017年にかけて共同でオフラインのシンポジウムを4回開催した。2021年に開催予定だった10周年記念フォーラムは、新型コロナウイルス感染症の影響により今年に延期された。今回のシンポジウムは両校の教師、学生および関係学者が最先端の研究課題への理解を深め、個人の学術経験を豊かにする上での重要なプラットフォームをもたらすものとなった。 (文・写真:北京師範大学外国語言文学学院日文系提供 )
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