あまねく共に行く──交響曲「空海」、日本で人々の心を響かせる
7月9日及び7月11日、2025年大阪・関西万博の共創プログラムの一つとして、交響曲「空海」の日本公演が大阪・ザ・シンフォニーホール及び香川・レクザムホール盛大に開催されました。魂に響く旋律が人と人の心を繋ぎ、大きな反響と感動を呼び起こしました。
本公演は、北京天鼓之音文化伝媒有限公司が主催者として、中日両国の芸術家による深い連携のもと実現された初の試みです。日本を代表する著名な指揮者・角田鋼亮氏が大阪フィルハーモニー交響楽団を率い、中国中央音楽学院合唱団とともに、中日の民間の真摯な連携による芸術の祭典を共に創り上げました。
大阪公演に先立って開催された交流会では、中国駐大阪総領事・薛剣氏、高野山真言宗 宗務総長・今川泰伸氏、在中国日本国大使館 文化官・渡会隼人氏、そして主催団体・北京天鼓之音の代表である岳永徳氏が挨拶を行いました。香川県の演奏会前に、池田豊人知事が天鼓之音、中央音楽学院合唱団および大阪フィルハーモリー交響楽団代表一行と面会され、空海ゆかりの地での演奏会に対する大きな期待と、今回の訪問・公演を機に中国と香川との交流がさらに深まることへの願いを表明されました。
今回の日本公演は2会場にて開催され、合計3500席が無料で提供される公益公演として実施されました。高野山第519世寺務検校執行法印・静慈圓氏、善通寺第58世法主・菅智潤、三井寺長吏・福家俊彦氏、大阪府国際交流監・一坂浩史氏、大阪府議会議員・中野稔子氏、香川県知事公室長・植松和弘氏、香川県知事公室国際課長・土居義昌氏、滋賀県知事公室次長・村田昌弥氏に加え、著名指揮者・飯森範親氏、歴史学者・韓昇教授など多くの文化界の方々もご出席しました。さらに、大阪・関西万博の複数の参加国パビリオン関係者、大阪華僑総会、大阪華商総会、各大学の校友会、京都大学・関西大学・復旦大学など中日学術界の代表者らも来場。
交響曲「空海」は、北京天鼓之音文化伝媒有限公司と作曲家・邹野(ゾウ・イエ)氏により2023年に制作されました。本作は、中日の文化交流の象徴である弘法大師・空海の生誕1250年を記念して創作されたものです。空海の広大な智慧、無限の慈悲心、そして「衆生済度」「利他共生」への壮大な誓願が音楽に見事に表現され、究極の聴覚体験、穏やかで安らかな感情や、魂の揺さぶりをもたらし、多くの観客が涙を流し、深く感動しました。終章では、空海が「虚空尽き、衆生尽き、涅槃尽きなば、我が願いも尽きん」という誓いが音楽で高らかに奏でられ、その讃歌は天を突き、聴く者の心を深く打ちました。終演後も熱意が溢れていて、会場には数十分ほど長時間の拍手と歓声が響き渡り、観客たちはその余韻に包まれてなかなか席を立ちませんでした。指揮の角田氏も「このまま指揮し続けたい」と語るほどの本音に包まれました。
中国駐大阪総領事・薛剣氏はレセプションで次のように述べました。「新時代の中日関係において最も重要なのは、人と人との心の距離をいかに縮められるかということです。交響曲「空海」のような優れた作品は、中日の絆をより深く、より長く結ぶ大きな力になっていくと信じています。」
また、高野山真言宗宗務総長・今川泰伸氏は、「交響曲『空海』は、弘法大師の偉大な誓願を終章に据えており、その一貫した精神が全編に流れていました。空海が命を捧げてすべての人に尽くそうとした願いが、まさに作品を通じてよく表現されていた」と公演後に語りました。
さらに、在中国日本国大使館文化官・渡会隼人氏は、金杉憲治大使の祝辞を代読し、「交響曲『空海』は、日中両国民の相互理解と文化交流の促進において大きな貢献を果たしました。本作品が、日中交流史上重要な人物を主題とする交響曲として、時代や言語、国境を超え、両国そして世界の人々の心をつなぐ架け橋となることを、心から期待しております」と述べました。
交響曲「空海」は、2025年大阪・関西万博の共創プログラムの一つとして、音楽を通じて音楽が多様な違いを融合し、人類の心の共鳴を奏でることを目指しています。万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」は、「いのちを救う、いのちに力を与え、いのちをつなぐ」という理念を掲げています。これは、空海が1200年前に説いた「慈悲と利他」の教えとも深く響き合っています。空海はすべての命を思い、終わりなき誓願を立て、人々を支え続けることを願いました。その精神は「同行二人」という日本独特の信仰文化も生じ、時空を超えて今も多くの人の心と共にあり、人々に光と力を与え、心を開き、対話と調和を生み出しています。
主催者の天鼓之音はこの2年間、交響曲「空海」の世界ツアーを継続し、民間レベルでの文化交流を積極的に推進してきました。ロンドンやオークランドでの公演では、東洋からの響きが国境を越えて多くの聴衆の魂に共鳴を呼び起こし、心を揺さぶる力となりました。これは千年の時を超えた空海が現代人に残した精神的啓示であり、交響曲「空海」が共生、共演、心の対話を通じて芸術創作と国際交流を展開する新しい形式でもあります。中外文化や東西文明の相互交流の雄大な歴史を再現し、世界文化の繁栄と進展に貢献することを願っています。