敦煌の音楽会

2025-11-17 16:06:00

中村昊


「后来 我算学会了 如何去〜〜」

この歌を聴くと、今でもあの光景を思い出す。

昨年9月、私は九州沖縄大学生友好訪中団の一員として、初めての海外、そして初めての中国を訪れました。行き先は甘粛省の蘭州と敦煌でした。この旅は私の大好きな音楽が、言語や文化を超えて心を通わせる力を持つことを実感する機会となりました。

まず最初に訪れたのは蘭州です。蘭州では名物である、蘭州牛肉麺を食べました。食欲をそそる匂いに、あっさりとした味わいで、スープにもちもちとした麺が絡み、一口ごとに驚きと感動がありました。その後、蘭州大学を訪れ、現地の学生たちと交流しました。最初は言葉の壁に戸惑いましたが、簡単な中国語、ジェスチャーを重ねるうちに、言語が違っても心を通わせられることを実感しました。

次に敦煌を訪れました。敦煌では、主に莫高窟を見学しました。色鮮やかな壁画や彫刻には、人々の祈りや願い、日々の営みが描かれており、遠い昔の人々も今を生きる私たちと同じように生きていたことを感じました。時代を超えても変わらない人の心、そのことを深く胸に刻み、さらに砂漠独特の風景や、乾いた風の匂いからも歴史の重みを感じました。これが先人たちが渡ってきたシルクロードだと思うと考えさせられるものがあります。また地元の劇を観た際も、言葉は十分に理解できなくても、役者の表情や動作、音楽から物語を受け取ることができました。これらの体験から文化や時代を超えて伝わる力を実感しました。

この旅の中で最も心に残ったのは、鳴沙山での星空ライブです。砂漠の中、周囲に人工の光はなく、夜空は深く暗く広がっていました。昼間の砂の熱気を足元に感じながらライブが始まると、ドローンが夜空に光を描き、観客のペンライトも輝き、幻想的な光景が広がりました。音楽が流れると、観客は皆で声を合わせて歌い、空間全体が音楽で満たされました。低いベースの振動が体に響き、メロディーが耳を優しくくすぐります。周りの人々の笑顔や、音楽に合わせて体を揺らす姿を見ていると、自然と心に温かい光が灯るのを感じました。

その時、聞き覚えのあるメロディー「后来~」が流れ始めました。Kiroroの「未来へ」の中国語版です。遠く離れた敦煌で、この曲を中国の人たちと一緒に歌っていることに胸が熱くなりました。言語や文化が違っても、音楽を通じて人は心を通わせることができると強く感じました。ドローンの光とペンライトが夜空に溶け合い、音楽と光景が一体となった、忘れられない時間が生まれました。

この瞬間は、言葉や文化の違いを超えて心をつなぐ力を実感し、まさに感動的なひとときでした。私も自然と声を合わせ、皆と一緒に大合唱をしました。夜空を見上げると、一筋の流れ星が流れ、鳴沙山でのその瞬間、私は日中友好の願いをそっと祈りました。

今、私は大学で中国語を勉強しています。いつか音楽のように人々の心をつなぎ、日中両国の相互理解に貢献できるような人間になりたいです。

 

 

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