目印はチャイナコーデ

2025-11-17 16:22:00

佐藤未来子

 

私はこの春(20254月)、中国語教員としてのキャリアをスタートさせた。生徒と過ごす週250分の時間が楽しくてたまらない。15人の高校2年生の生徒たちはみんな一生懸命で、意欲的に中国語を学んでいる。勤務校では、生徒たちは韓国語、フランス語、ロシア語、中国語の4言語の中から1つを選択して履修することができる。中国語をせっかく選んでいただいたからには、後悔はさせまいという気持ちで、毎回の授業作りをしている。生徒たちは本当に中国語に対して熱心で、「街中で◯◯って言っていたのを聞き取れました!」「中国人観光客の方に話しかけてみました!」なんて報告してくれる生徒も中にはいる。そんな声を聞くたびに、私は思わず笑みが溢れてしまう。本当に自慢の生徒たちだ。

私が授業に出勤する時のこだわり。それは「授業では欠かさず毎回チャイナコーデを身につける」ことだ。私は中国語学習を通して中華要素の入ったオシャレが好きになり、タオバオを使いこなして洋服やファッション小物を個人輸入するようになった。

チャイナコーデとは中華風コーディネートのことで、チャイニーズルックともいう。中国語では「新中式」や「国」といったキーワードと、アイテム名を合わせて検索することでお目当てのアイテムを見つけることができる(例えばチャイナワンピースを見つけたかったら「新中式+衣裙」、中国風の靴を見つけたかったら「国+鞋子」といった具合で検索ができる)。

チャイナコーデを構成する要素は主に2つに分けられる。一つは「チャイナボタン」、もう一つは「伝統的なモチーフやデザイン」である。チャイナボタンが1つでもついていれば、シンプルなシャツでも一気にチャイナコーデの雰囲気が出る。伝統的なモチーフ、例えば竹、マージャン、水墨画、シノワズリーなどを取り入れることができれば、より中華の雰囲気が出て、個性的でパンチの効いたチャイナコーデができる。

チャイナコーデは日本でも中国でも2023年ごろに若者の間でブームとなっていたが、現在はもしかするともうブームは下火なのかもしれない。それでも、私は「言葉のいらない文化交流」としてチャイナコーデを続けていきたいと思う。

チャイナコーデのいいところは、ズバリ、「可愛くて、話のネタになる」ところである。事実、学校内では生徒だけでなく同僚の先生にも「今日のお洋服、素敵ですね」なんて声をかけていただくことがある。ただの挨拶だけでなく、ちょっとした話題にもなってくれるお助けアイテムだ。私は現在北海道に住んでいるが、街中ではあまりチャイナコーデを身につけている人を見かけることはない。おそらく私は「北海道で一番、チャイナコーデで過ごしている人」だという自負がある。チャイナコーデを身につけ始めるまでは全身真っ黒で固めていたことが多かったのだが、チャイナコーデを始めてからは、人にどう見られているかにばかり振り回されず、最低限のTPOに合わせつつ、自分のお気に入りのチャイナコーデアイテムの中からその日にあった服を着るようになった。そんな自分を以前より好きになれて自己肯定感やQOLがだいぶ向上したように感じている。

私は、自分の生徒には「中国語の言語学習を通して学んだことは、自分の人生を幸せにするために役立ててほしい」と考えている。私にとっては、その目標を体現できる方法の一つが、チャイナコーデを身につけて中国語の授業に赴くことである。中国語を教えるという「教員」の立場に甘んじることなく、いつまでも中国語やそれに付随するあらゆる文化を率先して楽しみ、面白がって、生徒に還元する「伴走者」でありたい。

 

 

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