百聞は一見にしかず カラフルな新疆体験

2023-07-05 14:44:00

  

中国駐大阪総領事館が主催する日本人向けの新疆ツアー第1陣がこのほど、新疆ウイグル自治区の中心都市ウルムチに到着、8泊9日の友好の旅が始まった。 

  

参加者20人の中には、70~80代のお年寄りもいれば、30~40代の中壮年や11歳の小学生もいる。また職業・背景も会社員や自営業、退職者などもさまざまだ。一行はウルムチ(烏魯木斉)からトルファン(吐魯番)、クルル(庫爾勒)、クチャ(庫車)、アクス(阿克蘇)、カシュガル(喀什)の六つの特色ある観光地を訪れ、新疆の美しい風景と多彩な民俗をたっぷりと楽しんだ。今回の団体は、中国のインバウンド旅行が再開後、初めての日本人観光ツアーになる。 

 

  

山肌が赤く燃えているように見えるトルファンの火焔山の前で記念写真に収まる一行(写真・劉欣) 

  

参加者の一人、森高龍剛さん(66)は旅行と撮影が趣味で、中国の海南や江西、湖北の各省などを旅してきた。「新疆は旅行写真愛好家の天国です。私はずっと新疆に行きたいと思っていました。来てみたら、ここはとても安全でした」と森高さんは話し、カメラを手に皆に以前に撮った写真を紹介。「早朝、ウルムチ市の広場では、人々が太極拳をしたり、剣舞を披露したり、広場ダンスを踊ったり……ほら、幸せそうな笑顔ですよ」と語っていた。 

 

  

広場でジョギングする地元民の写真を見せる森高さん(写真・邢暁婧) 

  

杉山俊三さん(75)は、仕事で10年以上も中国で暮らしていたが、新疆は初めてだ。「新疆への旅は古代のシルクロードと重ねて歩くようで、タイムスリップした感じです。多くの観光客が新疆に来て、この雄大な美しい景色を楽しんだり、おいしい地元の名物料理を味わったり、情熱的な人々と一緒に踊ったり、この地方のユニークな魅力を肌で感じてほしいです」と期待した。 

  

山副洋治さん(83)は今回のツアーの最高齢者だ。山副さん夫婦の中国訪問は今回で7回目となり、チベットのラサ(拉薩)や甘粛省の敦煌、雲南省の麗江などを訪れたことがある。「新疆の独特な風土と人情は、私を含む多くの日本人が憧れています。友人からこの新疆ツアーに誘われた時、すぐに申し込みました」と話した。山副さんは、出発前に天山山脈の天池やトルファンのカレーズ(地下水路)などの観光ポイントを調べたという。旅行中は、ガイドが説明する大切な内容を記録し、写真や動画を撮影し、帰国したら自分だけの「新疆の思い出」を整理するつもりだ。 

  

新疆の有名な地下水路カレーズの歴史を学ぶ参加者たち(写真・劉欣) 

  

長野県白馬村でスキーのインストラクターをしている渡部優美さん(33)は、これまで雲南や河南、北京などを旅行しており、中国に来るのは今回で7回目だ。渡部さんは到着後に早速、名物の羊肉串(ヒツジの串焼き)や火焰山、天池、カレーズなどの動画や画像をソーシャルメディアに投稿。日本のネットユーザーから、「新疆を旅行できてとてもうらやましい」というコメントが寄せられている。 

  

特定非営利活動法人「ハピネス」理事長の沢田圭史さん(42)は、初めて海外にやって来た。沢田さんは、「新疆が自分の初めての海外渡航先となって、とてもうれしいです」と顔をほころばせた。沢田さんにとって、これまで新疆のイメージは「荒れ果てた砂漠」だったが、来てみると「カラフル」で、まるで探索と発見を待っている秘境のようだと知った。 

  

沢田さんの息子・理くんは11歳で、このツアーでは最年少だ。理くんは今回の旅行に参加するため、学校を10日間休んだそうだ。ツアー出発前日に父圭史さんと高松市の自宅を出発し、大阪でツアー本隊と合流して新疆に着いたという。理くんは、スマートフォンを首からぶら下げ、「帰国したら同級生らに見せるんだ」と、歩きながら盛んに写真を撮っていた。 

  

父親の沢田圭史さんに自分が撮った写真を見せる理くん(写真・邢暁婧) 

  

ツアー全行程の費用は約33万円で、メンバーは全て自費参加だ。中国駐大阪総領事館の薛剣総領事は、「正直言って、この費用は一般の日本人にとっても少なくない額です。それでもなお、多くの日本の人々が自費での旅行を望んでいるのは、新疆の持つ特別な魅力と、新疆で起こっている問題の真相を知りたいという人々の強い気持ちを物語っています」と語っていた。(編集・SEN 

 

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