Report 方寸に彫り込む宇宙観 駱芃芃が歩む篆刻の道
2023-09-05 14:51:00
篆刻は、数千年にわたって受け継がれてきた中国の伝統芸術の一つである。書道と彫刻の技法が結び付き、石などの印材に文字を彫り込み、精巧で美しい印章を作る。篆刻は昔から中国人の生活に欠かせないもので、中国の漢字の発展を見続けてきた「生きた化石」だ。
2006年、中国芸術研究院篆刻芸術院が創設され、09年には中国の篆刻は、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の「人類の無形文化遺産の代表的リスト」に登録された。こうした画期的な動きの背後には、篆刻芸術のために黙々と努力を続けてきた一人の女性の姿がある――「彫刻刀の女神」といわれる篆刻芸術家の駱芃芃さんだ。22歳で篆刻の世界に入った駱さんは、40年以上にわたりこの芸術に人生をささげてきた。また、その豪放な作風で篆刻の世界における女性の先駆けとなり、篆刻文化の復活と発展に多くの力を注いできた。