特集 多様性示す世界遺産 敦煌の輝きを永遠に
2025-01-02 10:18:00
きらびやかな色彩と豊かなイメージで中華文明五千年の雄大な歴史絵巻を描くとすれば、敦煌はその中でまばゆく、感動的な絵となるだろう。敦煌の莫高窟と蔵経洞から出土した文化財の連綿と続く歴史と膨大な内容、奥深い芸術性、貴重な価値はかけがいのない文化遺産であり、人類共通の財産だ。
1958年、「敦煌の守護神」と称えられた常書鴻氏が敦煌芸術を初めて日本人の前に見せ、東京で行われた敦煌芸術展には10万人以上が観覧に訪れ、大反響を呼んだ。井上靖は小説『敦煌』とそれを原作とする中日合作映画『敦煌』で日本にさらなる「敦煌ブーム」を巻き起こした。当時の竹下登首相は「敦煌は日本人の文化の源流の一つであり、いわば心のふるさとである」と語り、ここからも敦煌に対する日本人の特別な思いがうかがえる。
敦煌文化の奥深い魅力の源泉はどこにあるのか? 千年の時を経ても敦煌がなお若々しい姿を保ち、世界にその物語を語り続けられているのはなぜか? 今月号の特集で明らかにしたい。