中国、望見心耳 「七・七」に考える戦後80年
2025-06-30 10:16:00
「戦後80年」という節目を迎えて、年明けから、メディアではかつての「大戦」にかかわる企画が重ねられています。そうした記事や番組に接しながらなんとも言い難い「違和感」を抱いて年の半分が過ぎました。その「違和感」をひと言で言うなら、従軍体験、あるいは空襲にしても疎開生活にしても、当時のわれわれ日本人の「悲惨」について語ることばかりに終始していることです。来月、8月は「終戦の日」(この言葉が内包する問題は、すでに過去の本欄でも述べましたが、日本の「敗戦」の歴史的意味をあいまいにするものです)を控えて、そうした「終戦企画」がまさに目白押しとなるでしょう。
しかし、その前に、今月7日は1937年の「盧溝橋事件」(「七・七事変」)から88年となります。そこで、「七・七」を見据えながら、「戦争の歴史」を巡る問題意識の一端を述べておこうと考えました。