10年の修繕で文化継承 宮廷建築に新たな光彩
2026-03-30 14:48:00
養心殿は、明・清時代の皇帝の宮殿・紫禁城(現・故宮博物院)内廷西側の最南端に位置する。1912年2月12日、隆裕太后は6歳の宣統帝(溥儀)を伴い、ここで最後の朝見儀式を執り行い、宣統帝の退位詔書を公布した。溥儀が宮中を退出するまで、清代では計8人の皇帝が養心殿を政務と暮らしの場として用いた。雍正帝はここで深夜まで上奏文に朱筆を加え、乾隆帝はここで盛世の構想を定め、慈禧太后(西太后)はここで垂簾聴政(幼帝にかわって皇太后などが政治を行うこと)を行った。当時、養心殿は清朝における実質的な政治の中枢であった。
2015年、故宮博物院は「養心殿研究性保護プロジェクト」を始動した。これは、約1世紀ぶりにこの皇帝の権力中枢に対して実施された全面的な調査・修復である。10年にわたる丹念な修繕を経て、養心殿は昨年末、正式に一般公開された。数カ月来、国内外からの来訪者が絶えず、殿前にたたずみ、殿内を巡りながら、その精巧な建築構造と重厚な歴史に心を打たれるとともに、修繕に取り入れられた現代技術と匠の心の継承に深い感嘆を寄せている。
養心殿とはいかなる建築であるのか。なぜ清代の権力中枢となり得たのか。この10年、いかなる修繕と研究が行われたのか。再公開後の見どころは何か。これらの問いを携え、500年の風雨を経て再び生命力を取り戻したこの宮廷建築の内部へと歩みを進めよう。