福建省晋江市はもともと「華僑の故郷」といわれ、晋江市出身の海外華僑は300万人に上る。インドネシア宇宙グループの執行主席兼香港聚旺国際ホールディングス会長の許金聡氏は、晋江市の華僑家庭で生まれた。彼の創業経験は改革開放と切り離して語ることはできない。
1978年改革開放以降、許金聡氏は現地の「三閑資源」(土地を持たず農業に従事できない人、海外の華僑親族からもらい受けた余ったお金、華僑が建てた誰も住んでいない空き家)を利用して、紡績機械を生産する家内工業を始めた。1982年、許金聡氏はフィリピンに行き、プリント機械の生産技術を勉強した。
1986年、中国政府は『中華人民共和国外資企業法』を発布し、中国国内で外国人投資家による外資系企業の創設が認められ、外資合法化が承認された。国内企業も外資を導入し、合弁企業を設立できるようになった。この政策の施行を受け、許金聡氏はいち早く行動し、福建省で一番初めに合弁企業の生産許可証を手に入れた。彼は家族が残した古い家を作業場に改築し、故郷の土地で紡績機械とプリント機械を生産し始めた。
1990年、国際業務を開拓するため、許金聡氏は再び東南アジアに行き、製品営業をしたり、関連する国際展覧会に参加したり、製品の販路を拡大していった。1997年、アジア金融危機が勃発し、インドネシアの通貨価値が下落し、コスパのよい中国製品に目が向けられた。このチャンスを逃すまいと、許金聡氏は三回目となる東南アジア訪問で、現地の有名な華僑と共に投資し、インドネシア宇宙グループを創設した。
1982年から今日まで、許金聡氏は三度にわたり、東南アジアに行き、フィリピンやインドネシアで長く暮らしたが、外国に帰化しようと考えたことは一度もない。許金聡氏はきっぱりと「今まで収めた成果は国の政策によるものだ。祖国に自信がある」と述べた。(文=王翔、編集=王朝陽)
人民中国インターネット版 2018年7月11日
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