第1回中国国際輸入博覧会、経済の新たなシグナルを発信へ

2020-02-21 12:23:20

 

上海で開催される第1回中国国際輸入博覧会(CIIE2018)の開幕まで、あと1カ月を切った。中国が推し進める新しい高度な対外開放を象徴するプロジェクトとして、今年開催される4つの大型ホーム外交の終盤の目玉として、輸入博覧会は世界に新たなチャンスをもたらすとともに、中国経済の長期安定成長と質の高い発展を後押しする見通しだ。

国慶節の前に国務院関税税則委員会は、2018111日より一部の工業製品などの最恵国税率を引き下げると発表した。対象は1585税目にわたり、中国の税目全体の19%を占める。

51日からのほとんどの輸入医薬品を対象としたゼロ関税の実施、71日からの自動車および部品一部の日用消費財を対象とした輸入関税引き下げなど、中国は今年に入ってからすでに4回の減税を実施しており、関税率は全体で前年の9.8%から7.5%まで引き下げられ、平均下げ幅は23%に達する。

関税引き下げを輸入の「ハードコスト」引き下げと言うならば、近く上海で開かれる輸入博覧会は、交流プラットフォームの構築、輸入の制度面での取引コスト引下げにつながる。「ハード」と「ソフト」両面からのコスト引き下げには、中国の輸入拡大を目指す政策シグナルが非常にポジティブに明確に表れている。

「輸入博覧会の開催は、中国の初めての大きな試みだ」。中国貿促会研究院国際投資研究部の劉英奎主任は、「世界的に見て、博覧会の多くは輸出促進を目指すもので、第1回中国国際輸入博覧会は世界で初めての輸入をテーマとした国家クラスの博覧会となる。中国の視点からみると、輸入博覧会の開催はこれまでの輸出奨励型から輸入拡大輸出入両方を重視するモデルへの転換を意味するもので、中国の対外経済貿易発展を象徴する出来事だといえる。

2015年に上海自由貿易区で設立された中智中心(チリ国家館)は、第1回中国国際輸入博覧会に出展する30社の「6日+365日」常設展示取引プラットフォームの1つとなっている。ここ1カ月、中智中心の責任者である鄔遠峰氏は多忙を極め、チリ産チェリーなどフルーツを輸入するかたわらで、経済貿易フォーラムを計画している。

「チリの風力太陽光エネルギーは非常に豊富だ。我々は博覧会期間中に新エネルギーフォーラムを開催し、チリと中国企業との協力を後押しする考えだ」と、鄔遠峰氏は語る。

売買は第一歩に過ぎない。輸入拡大を基盤とし、輸入博覧会は世界の経済貿易協力の一大プラットフォームとなる。劉英奎氏は、「輸入博覧会の開催を通じて、一部の国の対中国の貿易赤字を削減し、中国の貿易環境を改善、世界各国との経済貿易協力を一段と強化する必要がある」と述べた。

輸入博覧会で構築する経済貿易協力プラットフォームは、包摂性と互恵性という特徴を備えている。輸入博覧会には、44の後発開発途上国(LDC)のうち30以上の国が参加する予定で、LDC参加国には無料で2つの標準展示ブースが提供される。

商務部研究院の白明研究員は、「貿易保護主義が台頭するなか、中国の輸入博覧会開催は、互恵協力の開放戦略推進と自由貿易保護の一貫した立場を表明するものだ。輸入博覧会が成功すれば、中国市場を失えば多くのビジネスチャンスを失うことを世界に示すことができる」と述べた。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」20181014

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