「ダブル11」から見る中国の消費大国へのまい進

2020-02-21 12:23:05

 

中国時間1111052分、米CNNは「地球上もっとも盛大なショッピングデーが始まった」と伝えた。その約50分後、天猫の通販セール「ダブル11」の取引額は1000億元を突破し、イベント開始10年の最高記録を打ち立てた。

もう一つ注目したい記録は、75の国と地域から1900以上の海外ブランドがイベントに参加したことである。天猫「ダブル11」は中国の消費者と世界のメーカーが共に楽しむイベントになっている。

最新データを見ると、天猫と淘宝の取引総額は2135億元に達している。この巨額資金はインターネット上を急速に移動し、尋常でない消費スタイルを作り出している。

「ダブル11」は中国経済を観察する重要な窓口の1つである。製造業の発展、インターネットと交通輸送の改善が中国の独特な国情において全面的に連動している。北京の消費者はキーボードを押すか、または携帯電話にタッチするだけで数日後に2000キロ離れた広東省の某工場で生産した商品、さらには遠く離れた米国製の商品を受け取ることができる。多くの消費者がこのような方法で欲しいものを購入し、中国の消費者の購入額と規模は等比級数的に増加した。

中国のEC経済の規模は27兆元に達し、次世代の消費者層はインターネット経済の創造者、参与者、さらには生産者、販売者、購入者でもある。多くの配達員がネット通販の運営を加速化すると同時に、自らも新たな消費グループになっている。

消費グレードアップが国家経済を牽引するという経済学的原理は変わらないかもしれないが、消費促進の原動力の構造に中国の特徴が現れている。中国経済の見通しを正確に評価する全ての研究者または機関が、「ダブル11」で明るみになる中国経済のインターネット段階への発展に現れる違いを無視してはいけないと示す。

中国内外で近頃、中国経済の持続的発展における輸入要素が注目されている。これは主に、経済強国が生産強国であると同時に、消費強国でもあるためである。中国は世界で製造業のカテゴリがもっとも揃う生産大国で、経済強国における1本目の柱を安定させている。中国に現在必要なのは2本目の柱、すなわち消費の柱である。

消費がイベントになり、中国経済の蓄積、グレードアップモデル転換と関わり、さらに中国の消費グループおよび消費習慣とも関わっている。通販セール期間の消費者の購入商品を見ると、健康、旅行、教育など広い分野に及び、中国人の生活レベルと直接関わっている。40年の改革開放を経て中国が蓄積した経済力は庶民をより裕福にし、素晴らしい生活への原動力へと変わっている。グローバル化時代、大国の庶民の生活レベルと消費力は他国との関係、及びグローバル経済、貿易、金融関係に大きな影響を与える。

中米貿易の摩擦がある中、多くの中国人は、米国がとんでもない価格を要求するのは米国の購買力が高く、メイドインチャイナの最大の購入者であることと大きく関係していると感じている。米国人が何を買って何を買わないか、どの商品を多く買うかはグローバル経済の全局面を左右し、世界の政治や外交にも大きな影響を及ぼす。

中国人の消費能力の向上に伴い、世界最大の発展途上国である中国のグローバル経済ガバナンスにおける発言権は高まり、それにより世界貿易構造は多極化し、中米関係も変化するとみられる。米国は中国の消費のおかげで雇用を増やし、多くの利益を得ている。中国は貿易の均衡により中米関係を形成する能力を高める。

世界が良くなってはじめて、中国も良くなり、中国が良ければ、世界はもっと良くなる。世界の消費者が必要とするものを中国が生産していた状況から、中国の消費者が購入するものを世界が生産するようになり、この変化は中国のグロバール経済牽引力の向上を暗示している。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」20181112

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