中国国務院、新たな包括的減税措置の実施を発表

2020-02-21 12:22:46

 

中国の李克強総理は9日の国務院常務会議で、小規模零細企業を対象とした新たな包括的減税措置の実施を決定した。

会議では、「中央経済活動会議の方針を貫徹し、今年の経済運営を合理的な区間内で維持、第1四半期の平穏なスタートの実現に注力することが非常に重要だ。それには多角的な取組が必要で、小規模零細企業に関連する経済の安定運営と雇用の安定を発展させることが必要だ」と指摘された。

会議では、小規模零細企業を対象に新たな包括的減税措置を実施することが決まった。具体的な措置は次の通り。

1)企業所得税の優遇措置を受けられる小型薄利企業の基準を大幅に緩和すると同時に、所得税の優遇幅を拡大、小型薄利企業の年間課税所得額が100万元未満、100万元以上300万元未満の場合は、課税所得をそれぞれ25%と50%ずつ低減して計上できるため、税負担率はそれぞれ5%と10%まで引き下げられる。優遇政策調整後は、納税企業全体の95%以上が優遇を受けられるようになるが、そのうち98%が民営企業だ。

2)小規模零細企業個人事業主その他個人の小規模納税者については、増値税の免税義務を免除される基礎控除額が月間売上高3万元から10万元に引き上げられる。

3)各省()政府は増値税の小規模納税者に対して、資源税都市保護建設税印紙税都市土地使用税耕地占用税などの地方税および教育費附加地方教育附加について50%までの減税が可能となる。

4)科学技術型スタートアップ企業への投資優遇政策の対象範囲を拡大し、これらの企業に投資するベンチャーキャピタルとエンジェル投資家がより多くの税優遇を受けられるようにする。

5)大規模減税と費用徴収削減による地方政府の財源不足を補うため、中央財政から地方に一般財源の移転を拡大する。

上記の減税政策は今年11日に遡って実施され、実施期間は暫定的に3年とする。これによる小規模零細企業の税負担軽減額は年間約2000億元に上る見込みだ。

中国企業聯合会の劉興国研究員は「経済参考報」の取材に対して、「国内外の経済が圧力に晒されるなか、企業経営は一定の困難に直面しており、小規模零細企業の経営は特に困難な状況だ。各級の政府は関連の政策措置を持続的に打ち出し、小規模零細企業の発展を妨げる圧力の軽減を図っており、構造的減税や小規模零細企業向けの貸出増加などは一定の効果を上げた。しかし、小規模零細企業が直面する巨大な圧力に比べると、政府の現行措置はまだ充分とはいえず、企業はより強力な包括的減税措置による一層の企業負担の軽減を待ち望んでいる」と指摘。「今回の国務院常務会議で小規模零細企業を対象とした包括的減税措置の追加実施が決まり、税優遇の対象範囲が大幅拡大され、減税幅が広がったことで、多くの小規模零細企業にマネーが還流し成長が期待できるようになる。また、中央政府は地域的な経済発展と財政格差を考慮し、地方政府の減税費用徴収削減政策に弾力性を持たせるとともに、財源移転で地方政府の財源不足を補うことを提起した。これにより、小規模零細企業は真に減税費用徴収削減政策の恩恵を享受できるようになり、確実に小規模零細企業の活力増強につながる」としている。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2019110

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