枝墨=文 華中科技大学=写真提供
今年突如として猛威を振るった新型コロナウイルスによる肺炎(新型肺炎)で、湖北省武漢市にある華中科技大学(以下、華中大)が人々の関心の的となるとともに、この大学に所属する多くの研究者たちが防疫の中堅となり活躍している。
感染が拡大した当初、華中大同済医学院付属同済病院は直ちに『新型コロナウイルスによる肺炎診療クイックガイド』を作成し、全省の臨床診療の参考として提供した。また、同病院の発熱外来の診療に全国で初めてオンライン問診を開設し、待ち時間や院内感染のリスクを効果的に緩和した。そして、湖北省で初となる新型コロナウイルス核酸検査実験室が華中大同済医学院付属協和病院に設置された。
感染拡大を食い止め患者を治療するため、協和病院の医療スタッフは「報酬を求めず、死も辞さない」と宣誓した「志願書」を書いた。
協和病院の発熱外来で症状を診断する医師
有名大学としての責任
「国家級重点総合大学」に指定されている華中大は、感染拡大の予防・抑制において付属の協和病院や同済病院など10の病院をあてがい、約3万3000人の医療スタッフと8900床余りの病床を提供するとともに、仮設病院の約6000床の病床を管理した。中国で最も多くの病床と人員を提供した大学である。
華中大があてがった病院は全て新型肺炎患者の指定医療機関だ。提供した病床は武漢市全体の開放病床数の40%近くを占め、派遣した医療スタッフは防疫の中堅として活躍している。
一流大学と一流学科の建設を目標とした「双一流」の対象である華中大の公衆衛生学科は、今回の感染拡大の予防・抑制に大きく貢献した。同大学の専門家は、国家や地方政府が政策決定を下すために価値のある情報を提供し、多くのアドバイスが採用された。武漢における感染拡大の予防・抑制措置を評価し、フィードバックから改善措置や方法を分析し、社会に向けて防疫知識を普及した。
協和病院の隔離病棟で治療に当たる医療スタッフ
心の通った治療を
華中大同済医学院には中国科学院院士(優秀な科学者に贈られる称号)の陳孝平氏、中国工程院院士の馬丁氏が所属しており、彼らは自身の得意分野で中国や世界の医学に影響を与えている。
同済医学院には100年以上の歴史があり、「同済」の名前は「同舟共済(同じ船に乗り助け合う)」から取っている。2016年に華中大は、すでに附属病院だった協和病院、同済病院、梨園病院からさらに七つの総合病院と専門病院を受け入れ、それらを同済医学院直属の附属病院とした。こうして華中大の附属病院は10施設に上った。
同済医学院は科学研究だけではなく教育面もしっかりしていて、これまで何度も危険を顧みず献身的な医療活動を行ってきた。
1954年に武漢で大洪水が起きた時、同済医学院は1000人以上からなる緊急救助突撃隊と医療サービス隊を防災救援活動に送った。76年に河北省で起きた唐山大地震では、130人の医療スタッフが医療救助隊を組織して災害地に駆け付け、1万5000人以上もの負傷者を治療した。98年に長江の中下流で大洪水が発生した時は、45の医療チームと防疫チームが各危険区域を堅守した。2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)流行時では、20人近くの専門家が各級の研究センターや指揮センターに加わり、12人の医療スタッフが第一線で医療活動に当たった。08年の四川・汶川大地震では、「四肢切断手術ゼロ」「感染者ゼロ」「死者ゼロ」という医療上の奇跡を生んだ。今回の新型肺炎との闘いでも、同済医学院の「白衣の天使」たちは感染状況が最も深刻な地域で命を救っている。
同済病院の100人に及ぶ党員や医療スタッフが今回の感染拡大との闘いに志願した
さらに世界50以上の華中大OB会から数万人の卒業生や卒業生が設立した企業が、2月23日までに武漢やその他の都市にある100余りの病院に3億元以上の医療物資を寄贈、学校に1600万元以上の対策資金を寄付した。
華中大党委員会書記の邵新宇氏は次のように話す。「今回の感染症は武漢市と湖北省にとって大きな衝撃であり、全国ひいては全世界にまでまん延しています。この状況を前に、自分のことだけではなく、他人のことも考えなければなりません。大学は、学生に専門的な知識や技能を身に付けさせるだけではなく、正しい価値観や道徳基準、ヒューマニズムを育てることがより大事です」
華中大構内を歩く学生たち。毎年ここで多くの優秀な人材が育つ
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