四川で「水素エンジン」始動 国際水素エネルギー産業協力大会が開催
GSEO=文・写真提供
「2021年国際水素エネルギー産業協力大会」が5月28日、四川省成都で「オンライン+オフライン」形式で盛大に開催された。
今回の大会は、「緑色智慧能源組織(GREEN&SMART ENERGY ORGANIZATION、GSEO)」と四川省経済協力局、中国国際貿易促進委員会四川省分会、中国建設銀行四川省支店が共催。国際水素エネルギー協会や新日本石油、千代田化工建設といった日・米・独・仏など約20カ国の関係機関の他に、世界のトップ企業500社の代表、晋能集団、国家電力投資集団など中国国内の中央企業、水素エネルギー分野のリーディングカンパニーおよび四川の地元企業計120社余りが参加した。
大会であいさつする楊興平四川省人民政府副省長
「二つの炭素目標を掲げたことは、中国が最大の発展途上国として世界最大規模の炭素排出量の減少幅を達成し、世界最短時間でピークアウトからカーボンニュートラルまで実現することを意味しており、これは大変素晴らしいことだ」と元国家対外貿易経済協力部の龍永図副部長はあいさつで述べ、さらに中国は今年、炭素排出量削減と汚染対策において新たな歴史的進展を遂げるだろうと予想した。
大会主催者の一つであるGSEOは国際的な非営利組織で、「カーボンニュートラルを加速し、世界のエネルギーのクリーン化・低炭素型への転換とスマート発展を促進する」ことをその使命としている。同機構の鄔剣波事務局長は、今後、水素エネルギーを含む重大産業プロジェクトの拠点を四川に積極的に構築すると述べた。現在、同機構では、欧米や日本の新エネルギー系企業を四川に誘致して水素エネルギーの発展を促進し、産業エネルギーの国際協力レベルの向上に大いに努めている。
伊藤忠商事東アジアエネルギー・化学品グループの石橋忠グループ長ら一行は会期中、現地の企業・東方電気を訪れて意見交換し、東方電気と水素サプライチェーンの協力を強化することで提携の基本合意に達した。また、今後の協力が日中両国の産業発展に積極的な貢献を果たすことを望むとした。
オンライン会議に参加した海外のゲストによる講演もあり、その中では世界のエネルギー転換における水素の重要性が強調された。欧州水素エネルギー研究所のローラン・アントニー所長は、欧州全体の水素研究とイノベーションプロジェクトについて概説し、さらに、「今、水素キャリアーについて考慮しなければ、国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)の目標とカーボンニュートラルの達成は不可能である、という認識で国際社会の意見は一致している」と述べた。
また、バーレーンの元中央銀行総裁のイブラヒム・ビン・ハリファ親王は会議のオンライン演説で次のように述べた。「四川におけるクリーンな水力発電エネルギーの急速かつ広範な発展は国際的に高く評価されており、こうした資源はグリーン水素の生産に非常に大きなメリットがある。バーレーンは経済の多角化において目覚ましい成果を上げており、湾岸地域初の『ポスト石油』経済国になった。今大会によって新エネルギー技術の国際協力の推進に大きな扉が開かれることを願っている」
大会はまた、水素が交通や工業、建築業界での本格的な脱炭素を実現し、社会と経済の全面的な環境配慮型への転換の面で積極的な役割を果たすことを示し、産業における知識の啓発や協力の橋渡し、重要プロジェクトの支援、水素エネルギー産業の台頭の推進に重要な意義を有するものとなった。