新たな成果を目指す中国式現代化

2023-01-03 16:17:17

沈暁寧=文 新華社=写真 


19期中央委員会を代表して報告を行う習近平総書記   

今年10月16日午前10時、世界の注目を集める中国共産党第20回全国代表大会(第20回党大会)が北京の人民大会堂で開幕した。習近平中国共産党中央委員会総書記・国家主席・中央軍事委員会主席は第19期中央委員会を代表し、全国各地から開幕式に出席した各業種・業界の2340人の党代表に向けて、「中国の特色ある社会主義の偉大な旗印を高く掲げ、社会主義現代化国家を全面的に建設するために団結奮闘しよう」と題する報告を行った。 

20回党大会は中国共産党が全国の各民族人民を指導し、社会主義現代化国家の全面的建設という新たな道のりをまい進し、二つ目の百周年を節目とする奮闘目標(2049年の中華人民共和国成立百周年までに中国を社会主義現代化強国に築き上げる)に向かって前進する要の時期に開催された非常に重要な大会だ。習総書記は報告の中で15の要点に触れ、中国共産党の過去5年間の取り組みと、第18回党大会以降に党が全国の各民族人民を指導し、中国の特色ある社会主義の新時代に入って奮起の10年間で得られた偉大な変革について振り返った。また、党が新時代において全国の各民族人民を指導してさまざまな偉大な成果を得られた根本的要因について説明し、中国共産党の新時代における新たな道のりの使命と任務を指し示し、中国の前進の道と発展の青写真を描き出した。 

報告が提起した新たな思想、新たな論断、新たな措置は、中国共産党が新時代における新たな道のりで党自身の建設、中国の発展目標、人類の運命と未来について打ち出された新たな思考、下された判断と政策決定をまさしく示すものだ。 


20回党大会が10月16日、北京の人民大会堂で開幕した。2340人の党代表が開幕式に出席した 

 

偉大な成果と歴史的勝利 

12年の第18回党大会は中国の特色ある社会主義が新時代に入る歴史的な章を開いた。10年間、習近平総書記を核心とする党中央の指導の下、党と国家の事業は歴史的成果を収め、歴史的変革が生じ、中国が社会主義現代化国家の全面的建設という新たな道のりへと歩み出すことを後押ししてきた。「新時代の中国の特色ある社会主義」思想を生み出し、党の指導を全面的に強化し、小康(ややゆとりのある)社会という中華民族の千年の夢を実現した。新時代の党と国家の事業の発展について科学的かつ完全な戦略的配置を打ち出し、新発展理念を提起・貫徹し、政治面での非常に大きな勇気により改革を全面的に深化させた。より積極的かつ主導的な開放戦略を実行し、中国の特色ある社会主義の政治的発展の道を歩むことを堅持し、イデオロギー分野におけるマルクス主義の指導的地位という根本的制度を確立・堅持した。人民を中心とする発展思想をしっかりと貫徹し、「緑の山河は金山・銀山にほかならない」(清き水と青き山こそがかけがえのない宝物である)という理念を堅持し、総体的国家安全保障観を貫徹した。「一国二制度」の実践を全面的かつ正確に推進し、中国の特色ある大国外交を全面的に推進し、全面的な厳しい党内統治を踏み込んで推し進めた。  

10年前に比べ、中国の国内総生産(GDP)は54兆元から114兆元にまで増え、中国経済が世界経済に占める割合は7・2ポイント上昇して18・5%に達し、世界第2位をキープしている。1人当たりGDPは3万9800元から8万1000元に増加した。穀物の総生産量は世界首位をキープし、製造業の規模と外貨準備高もそれぞれ世界一をキープしている。一部のコア技術では飛躍的進歩を実現し、戦略的な新興産業は大いに発展し、有人宇宙飛行、月および火星探査、深海・深地層探査、スーパーコンピューター、衛星測位、量子情報、原子力発電技術、大型航空機製造、バイオ医薬などで大きな成果を上げ、イノベーション型国家の仲間入りを果たした。 

習総書記は報告の中で次のように指摘した。第19回党大会からの5年間、党中央は中華民族の偉大な復興という戦略的大局と世界で百年間なかった未曽有の大変動を統一的に捉え、党と国家の事業の発展について重要な戦略配置を打ち出し、全党・全軍・全国各民族人民を団結させ率いて、厳しく複雑な国際情勢と後を絶たない大きなリスク・課題に効果的に対応し、積極果敢な精神で新時代の中国の特色ある社会主義を絶えず前へと推し進めた。5年間にわたり、党は人民を団結させ率いて、長年解決できなかった数多くの難題を克服し、未来に関わる数多くの大事・要事を成し遂げ、党と国家の事業において世界の注目を集める大きな成果を収めた。 

新時代の10年間の取り組みを総括するに当たり、習総書記は次のように強調した。10年間、われわれは党と人民の事業に重要な現実的意義と深遠な歴史的意義を持つ三つの大きな出来事を経験した。一つ目は、中国共産党創立百周年を迎えたこと、二つ目は、中国の特色ある社会主義が新時代に入ったこと、三つ目は、貧困脱却堅塁攻略と小康社会の全面的完成という歴史的任務を完遂し、一つ目の百周年を節目とする奮闘目標(2021年の中国共産党創立百周年までに小康社会を全面的に完成させること)を達成したことである。これは中国共産党と中国人民が団結奮闘して勝ち得た歴史的勝利であり、中華民族発展史に輝く歴史的勝利であり、また世界に大きな影響を及ぼす歴史的勝利であった。 

習総書記は次のように述べた。新時代の偉大な成果は党と人民が共に努力し、実行し、奮闘してきたたまものである。ここにおいて、中国共産党中央委員会を代表して、中国共産党員全員に、全国各民族人民に、民主諸党派、各人民団体ならびに各界の愛国人士に、また香港特別行政区の同胞、澳門(マカオ)特別行政区の同胞、台湾の同胞ならびに広範な華人・華僑同胞に、そして中国の現代化建設に関心を寄せ助力している各国の友人に、心から感謝の意を表す。 

  

新たな道のりにおける任務と使命 

中国共産党はこれまで百年間にわたる奮闘の歴史を歩み、その指導の下で中国は予定通りに一つ目の百周年を節目とする奮闘目標を実現した。歴史と実践の総括について、習総書記は報告の中で次のように指摘した。マルクス主義はわれわれの立党立国、興党興国の根本的な指導思想である。中国共産党が有能で、中国の特色ある社会主義が素晴らしいのは、つまるところマルクス主義が有用であり、中国化・時代化したマルクス主義が有用だからである。マルクス主義の科学的理論による指導は、中国共産党が信奉・信念を固め、歴史的主導権を握る上での根本的なよりどころである。マルクス主義の不断の中国化・時代化を推し進めることは、現世代の中国共産党員の厳かな歴史的責務である。 

未来への展望について、習総書記は報告の中で次のように指摘した。これからの中国共産党の中心的な任務は、全国各民族人民を団結させ率いて社会主義現代化強国の全面的完成という二つ目の百周年を節目とする奮闘目標を実現し、中国式現代化をもって中華民族の偉大な復興を全面的に推進することである。 

厳しい国際情勢と非常に困難な時代の任務に向き合い、中国共産党はいかにして中国人民を導き、新時代の新たな道のりにおいて新しい偉大な勝利を勝ち取るのだろうか? 習総書記は報告の中で全党に対して次のように指摘した。党の全面的指導の堅持は中国の特色ある社会主義を堅持し発展させるために必ず通らなければならない道であり、中国の特色ある社会主義は中華民族の偉大な復興を実現するために必ず通らなければならない道であり、団結奮闘は中国人民が歴史的偉業を創造するために必ず通らなければならない道であり、新たな発展理念の貫徹は新時代の中国の成長発展のために必ず通らなければならない道であり、全面的な厳しい党内統治は党が生命力と活力を永遠に保ち新たな「試験」の道をしっかりと歩む上で必ず通らなければならない道である。 

習総書記は次のように要求した。全党は前進の道において、必ずや党の全面的指導を堅持・強化し、中国の特色ある社会主義の道を堅持し、人民を中心とする発展思想を堅持し、改革開放の深化を堅持し、闘争精神の発揚を堅持しなければならない。また、習総書記は次のように呼び掛けた。全党の同志は必ず、初心を忘れず、使命を胸に刻む必要があり、謙虚かつ慎重に取り組み、刻苦奮闘する必要があり、果敢に闘争し、巧みに闘争する必要があり、歴史への自信を固め、歴史の主導権を強く握り、新時代の中国の特色ある社会主義の歴史にいっそう輝かしい一ページを刻まなければならない。 

1945年7月、著名な政治家であり教育家の黄炎培は中国共産党の指導下にある延安を訪れ、軍隊と民衆が団結し、奮起する現地の生き生きとした様子を見て喜びを覚えた後、迷うことなく毛沢東に対し、中国共産党は「治乱興亡のサイクル」から抜け出すことができるかと尋ねた。毛沢東は「われわれはすでに新たな道を探し出しており、このサイクルから抜け出すことができる。この新たな道とは民主である。人民が政府を監督していればこそ、政府は怠けることがない」と答えた。 

現在、長きにわたり執政を担い、9600万人の党員を擁する中国共産党がその先進性と純潔性を保てるかどうかは、党と国家、人民の将来および運命と直接結び付いている。習総書記はこの点について、第20回党大会の開幕式で「たゆまぬ努力を経て、党は自己革命という『治乱興亡のサイクル』から抜け出す二つ目の答えを探し出し、党は決して変質・変節・堕落しないことが確保された」と厳かに宣言した。 

果敢な自己革命は中国共産党が世界の他の政党と異なる明確な証しである。第18回党大会以降、党中央は全党・全社会において全面的な厳しい党内統治を踏み込んで推進し、事をなすために自分自身を強く律することを堅持し、新時代における党建設の全般的要請を提起し、実行に移して、党の政治建設を先導として党建設の諸活動を進め、「釘打ちの精神」で「四つの悪風」(形式主義・官僚主義・享楽主義・贅沢主義の四つの風潮)を是正し、特権意識と特権濫用に反対し、長期にわたって抑制できずにいた一部のよからぬ風潮に歯止めをかけ、長年取り除くことのできなかった一部の根深い問題を是正した。史上前例のない反腐敗闘争を行い、「何万人もの腐敗分子の恨みをかっても14億人の期待に応える」という使命と責任をもって宿痾を治し乱れを治め、党・国家・軍隊内部に巣くう深刻なリスク要因を取り除いた。 

習総書記は第20回党大会における報告の中で、次のように重ねて言明した。全面的な厳しい党内統治の道に終わりはなく、党の自己革命の道にも終わりはなく、一休みしようとか、諦めようとかいう気持ちは決して許されず、全面的な厳しい党内統治を粘り強く推し進め、新時代の党建設の新たな偉大なプロジェクトをいっそう推し進め、党の自己革命によって社会革命を導かなければならない。 

  

中国式現代化と国際的責任 

20回党大会で行われた報告では、二つ目の百周年を節目とする奮闘目標の実現に至る2段階の総体的戦略が重ねて言明された。すなわち、2020年から35年までに社会主義現代化を基本的に実現し、35年から今世紀半ばまでに中国を富強・民主・文明・調和の美しい社会主義現代化強国に築き上げることである。 

中国が一貫して追い求めてきた社会主義現代化は、一体いかなる中国の特色および本質的要求を有するのだろうか? 習総書記は報告の中で次のように述べた。中国式現代化とは、中国共産党の指導する社会主義現代化であり、各国の現代化との共通点の上、中国の国情に基づいた特色を持つものである。中国式現代化は人口規模の大きな現代化であり、全人民の共同富裕を目指す現代化であり、物質文明と精神文明のバランスがとれた現代化であり、人と自然の調和的共生を目指す現代化であり、平和的発展の道を歩む現代化である。 

中国式現代化の本質的要求は、中国共産党の指導を堅持し、中国の特色ある社会主義を堅持し、質の高い発展を実現し、全過程の人民民主を発展させ、人民の内面世界を充実させ、全人民の共同富裕を実現し、人と自然の調和的共生を促進し、人類運命共同体の構築を推進し、人類文明の新形態を創造する、ということである。 

習総書記はこの目標を実現するため、報告の中で中国の将来の発展における方向性と筋道を描き出した。習総書記は次のように指摘した。新たな発展の形の構築を加速し、質の髙い発展の推進に力を入れなければならない。科学教育興国戦略を実施し、人材による現代化建設へのサポー卜を強化しなければならない。全過程の人民民主を発展させ、人民主体を保障しなければならない。全面的な法に基づく国家統治を堅持し、「法治中国」の建設を推進しなければならない。文化への自信・自強を推し進め、社会主義文化に新たな輝きを築かなければならない。民生福祉を増進し、人民生活の質的向上を図らなければならない。グリーン発展を推し進め、人と自然の調和的共生を促さなければならない。国家安全保障体系・能力の現代化を推し進め、断固として国家安全保障と社会の安定を確保しなければならない。中国人民解放軍創立百周年の奮闘目標を達成し、国防・軍隊現代化の新局面を切り開かなければならない。「一国二制度」を堅持・整備し、祖国の統一を推進しなければならない。世界の平和と発展を促進し、人類運命共同体の構築を推進しなければならない。揺るぐことなく全面的な厳しい党内統治を実行し、新時代の党建設の新たな偉大なプロジェクトをいっそう推し進めなければならない。 

その中でも世界の平和と発展を促進し、人類運命共同体の構築を推進することは、中国共産党が新時代において中国人民を指導し、新たな道のりの中で奮闘する上での重要な目標であり、党の使命・責務でもある。 

マルクス主義を指針とするプロレタリアートの政党として生まれた中国共産党は創立以来、全人類の解放を究極的な目標とし、共産主義の実現を最も崇高な理想としている。中国共産党は百年間にわたる奮闘の過程において、終始一貫して人民の幸福と民族の復興を追い求め、世界を自由で平等な理想社会とすることと人類の解放を目指すことを有機的に結び付けてきた。習総書記は第20回党大会で発表された報告の冒頭部分で、中国共産党は中華民族の千秋の偉業の志を立て、人類の平和と発展という崇高な事業に力を尽くしているが、その責任はこの上なく重く、その使命はこの上ない栄誉であると指摘した。 

習総書記は今日の国際情勢について、報告の中で次のように指摘した。現在、世界の変化、時代の変化、歴史の変化は今までにない形で表れており、人類社会はかつてない試練に直面している。世界は再び歴史の岐路に立たされており、どこへ向かうのかは各国の人々の選択にかかっている。これは百年間なかった変動に対して中国共産党が打ち出した最新の判断である。 

習総書記はこの判断に基づき、報告の中で国際社会に向けて、中国は終始一貫して「世界の平和を擁護し、共同発展を促進する」という外交政策の趣旨を堅持し、力を尽くして人類運命共同体の構築を推進していくと厳粛に宣言した。 

 国際秩序について、中国は独立自主の平和外交政策を揺るぐことなく実施し、事柄自体の是非に基づいて自国の立場や政策を定め、国際関係の基本準則を守り、国際的な公平・正義を擁護し、断固として一切の覇権主義と強権政治に反対し、冷戦思考に反対し、内政干渉に反対し、ダブルスタンダードに反対する。中国はどこまで発展しても、永遠に覇権を唱えることはなく、永遠に拡張をすることはない。 

他国に対し、中国は平和共存五原則を踏まえて各国との友好協力を発展させ、新型国際関係の構築を推進し、平等・開放・協力に基づくグローバル・パートナーシップを深化させ、拡大し、各国との共通の利益が増えるよう努力する。・実行・親睦・誠実の理念と正しい義利観を貫いて発展途上国との連帯・協力を強化し、発展途上国の共通の利益を守っていく。 

グローバル発展に対し、中国は対外開放の基本国策を堅持し、互恵・ウインウインの開放戦略を断固実行し、絶えず中国の新たな発展によって世界に新たなチャンスをもたらし、開放型世界経済の建設を進め、その恩恵がより良く各国の人々に行き渡るようにしていく。中国は経済のグローバル化という正しい方向を堅持し、発展に有利な国際環境を共に整え、グローバル発展の新たな原動力を共に育成していく。中国はグローバル・ガバナンス体系の改革と構築に積極的に参加し、真の多国間主義を堅持し、国際関係の民主化を推進し、グローバル・ガバナンスのより公正で合理的な方向への発展を促していく。 

人類の運命について、中国はグローバル発展イニシアチブとグローバル・セキュリティー・イニシアチブを提起し、国際社会と共にその実行に努めていきたいと考えている。中国は、世界各国が、平和・発展・公平・正義・民主・自由という全人類共通の価値を発揚し、各国の人々が理解し合い親しみ合うよう促し、さまざまなグローバルな課題に共同で対応していこう、と真摯に呼び掛ける。中国人民は、世界の人々と手を携えて人類のいっそう明るい未来を共に切り開いていきたいと考えている。 

まさしくこのような世界観と指針の下、中国式現代化は人類が現代化を実現させる上で新たな選択肢をもたらした。中国共産党と中国人民は、人類が直面する共通課題の解決に向け、より多くのより良い中国の知恵、中国の案、中国の力を提供し、人類の平和と発展の崇高な事業に新たなより大きな貢献をしていく。 

こうした報告の内容から分かるように、第20回党大会報告は党と国家の事業における前進の方向をより明確に指し示したものであり、中国共産党が全国の各民族人民を団結させ、率いて、新時代の新たな道のりにおいて中国の特色ある社会主義を堅持し、発展させる政治宣言であり、行動綱領である。 

  

 

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