質の高い発展 広州が重要な役割を担う
休日に電気自動車で旅行をする時、もっとも心配なことは自動車の充電問題だろう。設立して2年にも満たない広州企業の巨湾技研が自主開発した「電気自動車世界最速充電技術」は、ドライバーが抱える大きな問題を解決した。そのアキュムレータは8分で80%まで充電でき、「給油のように早い」この技術は世界記録に認定された。
また、中国工程院院士で中国南方電網公司専家委員会主任委員の李立浧氏が筆頭となり完成した「特高圧±800kV直流送電プロジェクト」は、中国の東西を結ぶ電力の動脈となった。広州で生まれた世界初のこの科学技術成果は、国家科技進歩賞特等賞を獲得した。
上述の2つの「世界一」は広州の革新駆動型発展の縮図と言える。新たな科学技術革命と産業変革を前に、広州は革新を発展を促す最大の原動力とし、革新駆動型発展を深く実施し、「科学発見、技術発明、産業発展、人材の柱、生態合理化」の全チェーンの革新発展方式に着目し、科学技術強から企業強、産業強、経済強への質の高い発展の道を歩んでいる。
広州、科学技術革新都市へまい進
2022年、広州の革新主体は大きく発展し、新規設立されたハイレベル企業と研究院は15機関、ハイテク企業は1万2300社に達し、過去最高を記録した。有効な発明特許保有数は10万件を突破した。広州は科学研究資源を豊富に有し、全省の普通大学の半数以上と国家重点学科の97%が集まり、革新駆動型発展の強化とハイレベルの科学技術の自立の推進において著しい優位性を備えている。
2015年の42位から2018年は25位、2020年は15位、2021年は14位、今年は10位へと、広州は「自然指数-科学研究都市」ランキングで初めて世界トップ10入りを果たした。広州実験室や粤港澳大湾区(グレーターベイエリア 以下GBA)国家技術革新センターなどの国家級戦略科学技術プラットフォームが運営を開始し、広州の重大科学技術インフラはゼロからの脱却を実現し、ハイテク企業数は全国4位に躍進し、革新の実力と産業の活気がある広州は世界の先頭を走っている。
GBAの建設が新たなステップに上がり、広州と香港・澳門(マカオ)の科学技術と産業の関係も緊密になっている。『GBA国際科学技術革新センター広州革新合作区建設案』の実施に伴い、広州は南沙科学城を通してGBA総合性国家科学センターの主な受け入れ地となり、「広州―深圳―香港―マカオ」科学技術革新回廊の建設が進んでいる。2022年9月、世界知的所有権機関(WIPO)は『2021年グローバル・イノベーション・インデックス』を発表し、「深圳―香港―広州」科学技術クラスターは3年連続で世界科学技術クラスタートップ100の2位にランクインした。
優れたビジネス環境が広州の企業誘致と資金導入を促進
産業協力の緊密化に伴い、企業誘致・資金導入ブームが高まっている。昨年12月21日、広東・香港・マカオ3地の政府は広州市南沙区で2022GBA世界企業誘致会を共同開催した。同地域で開催された初の世界的な企業誘致会となる。テーマは「GBAに投資、美しい未来を共につくる」で、世界の投資家にGBAへの投資のチャンスと発展の利益の重要なプラットフォームを提供することを目的としている。イベントには世界10以上の国と地域から300社以上のグローバル企業が参加し、853件の協力プロジェクト契約が締結され、投資総額は2兆5000億元に達した。このハイレベルの世界企業誘致会は世界にGBAの発展のチャンスと投資の潜在力を全面的に示し、多国籍企業は広州が国内外2つの市場と2種類の資源を両立でき、世界のハイエンド要素資源集中地としての優位性を形成していることに目を向けた。
暫定的な統計によると、2022年の広州市の新規契約プロジェクトは約1500件で前年比30%増加し、登録プロジェクトは約1700件で同30%増加した。うち、投資総額100億元以上の契約・登録プロジェクトは26件に達し、広州で投資する世界トップ500企業は335社に達する見通し。
企業については、2022年の広州の市場主体は42万社増加し316社に達し、国内外上場企業は19社増加した。主に機械製造、新材料、ソフトウェアサービスなどの業種に集中している。「専精特新」(専門化・精密化・特徴化・斬新化)企業は55社増加し、主にハイエンド製造、ソフトウェア・IT、グリーン石油化学などの分野に分布し、産業チェーンが強化された。外資・貿易については、越境ECと保税物流が活気に満ち、貿易のプラス転換を促した。
広州はよい企業に熱意を持って奉仕し、企業がここに根る後押しをしている。優れたビジネス環境は企業誘致と資金導入に強力な「磁場」を提供し、ハイエンド資源と大型プロジェクトの広州集結を推し進めた。近年、広州はビジネス環境改革を持続的に深化させ、国家ビジネス環境革新試験都市の建設に力を入れ、電子政務など3項目の指標が国を代表して世界に広まっている。先日発表された『2022年広東省ビジネス環境評価報告』で、広州のビジネス環境は第1ランクに評価された。
金融経済が産業の質の高い発展を後押し
金融は実体経済の血脈である。2022年、広州の金融業の対GDP比は9.7%で、融資の増加幅は北京・上海・広州・深圳・天津の中で1位となった。主に製造業や科学技術サービス業に投資され、金融サービス実体経済の役割がより際立った。
今年2月14日、広州市は『市場主体の質の高い発展を支援し経済運営の率先的好転を促進することに関する若干措置』を発行し、市場主体への奉仕、有効ニーズの拡大、産業の質と効果の向上の推進の3角度から、9方面38項目の具体的政策措置をまとめ、企業の経営負担の軽減、税優遇政策の強化、実体経済発展への金融支援の強化などの一連の措置を打ち出し、経済運営の率先的好転を全力で推し進め、質の高い発展の新境地を切り拓く方針を示した。
2月18日、広州産投集団の高東旺会長は、マザーファンドと研究院を設立することで、産業投資の牽引者、重大プロジェクトの誘致者となるだけでなく、産業発展の推進者、科学技術革新の貢献者にもなると話した。広州GBA研究院理事長で香港中文大学(深圳)前海国際事務研究院院長の鄭永年氏は、広州の産業投資マザーファンド設立は、GBAの融合発展を推し進め、質の高い発展を促す重要な意味を持つと率直に述べた。
広州 香港・マカオ青年が生活しやすい町づくりに尽力
広州は近年、全国初の給与補助、職業資格と技術職手当、就職促進奨励、南沙共通カードの4項目の独自措置を打ち出し、南沙「創享湾」などの優れた革新創業基地と起業支援サービスプラットフォームを構築している。これまでに、香港・マカオ青年革新創業基地を50カ所建設し、香港・マカオから600チーム、3000人以上の青年が広州で起業した。
広州の発展のチャンスに目をつけ、香港歌手の呉淦軒氏は創享湾新華港澳国際青創センターに個人のスタジオと音楽ブランドを創設した。彼は、多くのチャンスと市場があり、事業発展の新たな手段を見つけることができると考えている。広州は全省で真っ先に「GBA青年就業計画生活補助」政策を実施し、36人の「GBA職場アドバイザー」を採用し、呉淦軒氏ら広州で発展する香港・マカオ青年はより「安定した生活」を送れるようになった。
広州市人的資源・社会保障局の担当者は、「我々は、南沙に青年の創業就業協力プラットフォームを早急に創設する」と話す。続いて、「五楽」計画2.0版を制定し、香港・マカオ青年の広州での革新創業を推し進め、香港・マカオとの社会保障、教育、介護、医療などの公共サービスの連携を強化し、優れた創業就業生態圏を構築し、香港・マカオ青年が生活しやすい町をつくり、夢を持つ香港・マカオ青年が広州で集まり、チャンスを掴み、共に繁栄できるよう促していくと示した。
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