これ以上海を汚すな!原発汚染水海洋放出に各国で「反対」の声
東京電力福島第一原発にたまる汚染水の海洋放出に反対するの各国の市民たちはこのほど、各地で集会を開き、原発汚染水を海洋に放出するという日本政府と東京電力の計画に断固として反対している。
原子力資料情報室共同代表の伴英幸さんは「政府が進めているこの海洋放出計画は私たちにとっては百害あって一利なしだ。私たちが知りたいのは排出されようとしている放射能汚染水に含まれる放射性物質の総量とその影響だ。だが、日本政府はこの問題を回避している」と述べた。
「なぜ海を汚さなくてはいけないのか。海は人間のものだけじゃない。ゴミ箱でもない」と、福島県に住む3代続く漁師の小野春雄さんは憤る。小野さんはまた、後の世代の漁業者の将来を心配している。「俺はいいよ。死ぬまで海の仕事する。でも(孫の世代に)勧めることはできないね。先が見えないから。どうなるか分からないしね」と、不安を訴えた。
市民グループ「これ以上海を汚すな!市民会議」の共同代表を務める織田千代さん(いわき市在住)は、「放射能のことを気にせず、健康に毎日を暮らし、子どもたちが元気に遊び、大きくなってほしい。そんな不安のない毎日がやってくることが望みです。これ以上の放射能の拡散を許してはいけないと思います。これ以上放射能を海にも空にも大地にも広げないで!」と語った。同じ市民グループの大河原さきさんは「放射能汚染水を流して喜ぶのは、利益を得るのは誰なのでしょうか。私たち原発事故の被害者は新たな被害を生む汚染水の海洋投棄には加担はしません」と強く訴えた。
韓国市民団体代表の朴錫運さんは、「国際原子力機関(IAEA)は放射能汚染水を海に流すのは日本政府の判断であり、IAEAは海に流すことを推奨していないし、保証もしていないと明確に述べている。だが現在、日本政府はIAEAの評価報告書を口実に、放射能汚染水の海洋放出を強行しようとしている。これは、科学というキャッチフレーズを掲げたペテン以外の何ものでもなく、彼らのやっていることは科学とは相容れないと思う」と語った。
米ハワイ大学ケワロ・マリン・ラボラトリーのロバート・リッチモンド教授は「我々の任務は海洋と海洋に依存する人々を保護することだ。原発汚染水の海洋放出はまずいアイディアであり、日本は他の選択肢を検討するべきだ」とした。
「汚染水の海洋放出は私たちの生計を大きく脅かしており、フィリピン国民の健康を害することになる。この世代だけでなく、次の世代の人たちにも影響するので、私たちは最後まで反対しなければならない」とフィリピン漁師のパブロロサレスさんは述べた。
韓国市民の金思亨さんは「8月から海洋放出が始まれば、それは私たちの闘いの終わりではなく、新たな闘いの始まりになる。今後30年、40年、50年と海洋放出が続けば、それを阻止する私たちの闘いも続くだろう」と強調した。