「『一帯一路』イニシアティブ10年のアジア太平洋における実践と展望シンポジウム」がタイで開催 鳩山由紀夫元首相があいさつ

2023-09-11 10:44:00

  

 

 

タイのタイ・中国「一帯一路」研究センターと駐タイ中国大使館の共催による「『一帯一路』イニシアティブ10年のアジア太平洋における実践と展望シンポジウム」が9月7日、バンコクのタイ国防学院で盛大に開催された。 

  

  

韓志強・駐タイ中国大使を始めとして、タイのアビシット元首相やタイ・中国「一帯一路」研究センターのウイーロン・センター長、日本の鳩山由紀夫元首相などアジア太平洋地域の国々から200人近くの政府・シンクタンク・メディア・ビジネス界および留学生代表がシンポジウムに参加した。 

  

  

  

基調講演を行うタイのアビシット元首相 

  

タイのアビシット元首相は、中国は「一帯一路」沿線諸国に多くのインフラ建設プロジェクトの投資を行い、こうしたプロジェクトの過去10年間の成果は目覚ましく、各国間の相互交流を促進し、プロジェクト関係国の人々の収入を引き上げた。中国は今、世界をより素晴らしい将来に向かって導いている。タイは「一帯一路」イニシアティブがもたらす歴史的なチャンスを捉え、中国-ラオス―タイ高速鉄道のタイ区間の建設を加速し、スピーディーで質の高い発展の実現を加速すべきである。 

  

  

基調講演を行う韓志強・駐タイ中国大使 

  

韓志強・駐タイ中国大使は、将来を見据え、中国はこれまで通り世界の国々や国際機関と協力して質の高い「一帯一路」建設を推進し、「一帯一路」により世界各国と人々により良い利益をもたらすと述べた。また中国は、自らの新たな発展によって世界に新たなチャンスを提供し続け、人類運命共同体の推進と構築に新たな原動力を与えるとした。 

  

  

あいさつするタイのタイ・中国「一帯一路」研究センターのウイーロン・センター長 

  

タイのタイ・中国「一帯一路」研究センターのウイーロン・センター長は、「一帯一路」イニシアティブはアジア太平洋諸国に発展の新たなアイデアをもたらしたと考えている。アジア太平洋に中国-ラオス鉄道やジャカルタ-バンドン高速鉄道をもたらし、カンボジアで高速道路を作り、中国の新エネルギー自動車は各国に向かっている。また、「一帯一路」イニシアティブ10年のアジア太平洋における実践は、アジア太平洋運命共同体や中国・タイ運命共同体、中国・ラオス運命共同体も成し遂げたとした。 

  

ラオス国立大学アジア研究センターのブアダム・センター長は、以下のように述べた。「一帯一路」イニシアティブは、中国とラオス両国の連結を促進し、中国-ラオス鉄道はラオスの旅客輸送と物流、観光産業の発展を促進した。また、中国-ラオス-タイ鉄道によってアセアン(ASEAN、東南アジア諸国連合)を結ぶ黄金回廊にした。中国-ラオス鉄道は将来、アジア太平洋地域の経済発展に大きく貢献すると信じる。 

  

「一帯一路」イニシアティブと新時期における「アジア太平洋の奇跡」の未来をテーマとする円卓会議では、アジア太平洋地域の政界とメディア、シンクタンク、ビジネス界、文化分野の代表が、「一帯一路」イニシアティブ10年の成果を共に振り返った。また、手を携えてアジア太平洋運命共同体を構築し、アジア太平洋協力の新たな隆盛を再創造することなどについて話し合った。 

  

  

画面を通してあいさつする鳩山由紀夫元首相 

  

鳩山由紀夫元首相はビデオであいさつを述べた。以下はあいさつの全文:

  

皆さん、こんにちは。鳩山由紀夫です。 

このたびは、中国・習近平国家主席が提唱された「一帯一路」イニシアティブが10年という節目の年を迎えるにあたり、タイ・バンコクで記念イベントが開催されることを心からお慶び申し上げます。 

 

2010年にソウルで行われたG20首脳会議で「ソウル開発コンセンサス」が採択され、続く2013年に習近平・中国国家主席が一帯一路構想を提唱されましたが、アジア地域のみならず世界レベルで、開発途上国・地域に対するインフラ開発援助と協力を巡る動向や展開が注目されてきました。 

中国の一帯一路構想は、当初、中国を起点としたアジア・ヨーロッパ・アフリカ大陸にまたがる巨大経済圏構想として始まり、現在では開発途上国を主たる対象とした北極圏や南米まで及ぶグローバル構想となっています。中国側の発表によると、2022年3月の時点で146ケ国と32の国際機関が一帯一路の枠組みでの協力協定を締結しており、プロジェクト規模としては2021年で144ケ国に595億米ドルの投融資が行われたと推定されています。 

このために一帯一路は、中国の覇権拡大とか、地政学的な国家戦略として捉えられる傾向があり、西側諸国にはある意味での警戒感があります。しかし、中国はそれらの国際的批判や懸念を受けて、必要な対応策や政策方針の調整を行っているのも事実で、習近平国家主席は2019年の第二回一帯一路フォーラムで、「中国企業がプロジェクトの運営・入札などで国際的スタンダードに沿って活動する」といった具体例を挙げながら、一帯一路を、これまでの投資・援助の量的拡大中心主義から、「質の高い発展」を目指すものに転換すると表明されました。多くの途上国にとっては、人権や環境規制の条件付けおいて欧米や世銀などの融資と異なるために、一帯一路プロジェクトの融資は魅力的に見えることも事実です。 

私はこの一帯一路のインフラ開発投資と支援が、アジアの開発途上国の持続的経済発展に大きく貢献する方向に向かうべきだと思っています。それはアジア地域経済全体の発展と安定化に繋がります。まさしく、習近平国家主席が提唱する「運命共同体」への推進であり、今回のシンポジウムの目的である「アジア太平洋運命共同体」の構築であり、私が主張する「東アジア共同体」の目的と合致するものです。その意味において、また、一帯一路がより「質の高い発展」を目指す際には日中が協力すべきであり、アジアインフラ投資銀行(AIIB)に多少関わった者として、私は日本が一帯一路構想に積極的に貢献すべきではないかと思います。 

平和と安定こそ、今、アジアに住む我々がもっとも必要であり、成し遂げなければならないことだと思います。 

最後になりますが、一帯一路を通じ、タイをはじめこの会議に参加された各国の発展を心からお祈りし、私の挨拶に代えます。ありがとうございました。 

  

人民中国インターネット版

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