習近平主席の講話を聞いて「一帯一路」に思いを馳せる

2023-10-19 14:29:00

文=東日本国際大学客員教授 西園寺一晃 

 

10月18日、習近平主席は第3回「一帯一路」国際協力サミットフォーラムにおいて重要な講話を行った。講話を聞いて、「一帯一路」に対する思いが膨らんだ。 

 

「一帯一路」については、国際社会の中で歓迎する人がいる一方で、目の敵にしている者もいる。貧困や立ち遅れから脱皮し、国も民も豊かになりたいと念願する国々は「一帯一路」に大きな期待を寄せる。貧困国が貧困のままで、先進国に頼らなければ生きて行けない構造を変えたくない一部の先進国は、「一帯一路」の進展を妨害しようとする。しかし、さまざまな妨害、攻撃があるにもかかわらず、この10年間「一帯一路」は着実に前進し、成果を挙げている。この「前進」と「成果」の重要な内容の1つは、量から質への変化であろう。「一帯一路」は着実に広まった結果、質的転換が起きた。より深い理解、より具体的な内容、より広範な協力である。 

 

「一帯一路」共同建設国の大部分は発展途上国で、それぞれがいろいろな困難を抱えている。貧困、資金不足、インフラの未整備、技術の立ち遅れなどである。多くの問題は貧困、経済の立ち遅れが原因である。貧困は政情不安を生み、摩擦と紛争を生み、時にはテロも生む。貧困が解消され、人々の生活が豊かになり安定すれば、多くの問題は解消する。その意味で「一帯一路」は救世主になるかもしれない。「一帯一路」の神髄は、沿線国の人々が互いに協力し、共に価値を創造し、成果を共に分け合う、つまり大規模な「ウインウイン」構造の構築である。これらの内容を表すのが「5通」であろう。「政策溝通」(政策面での協調)、「設施聯通」(インフラ施設の連絡)、「貿易暢通」(貿易の円滑化)、「資金融通」(資金の融通の強化)、「民心相通」(沿線地域国民間の相互理解)。 

 

中国は依然発展途上国だが、すでに世界第2の経済大国となった。中国は責任ある大国として、自国のさらなる発展のため努力すると同時に、世界規模での問題について考え、行動しようとしている。「一帯一路」の提起と推進は、中国の国際社会に対する貢献である。現在、人類の生存、平和を脅かす、地球規模での問題は依然多い。貧困、格差、環境、気象変動、自然災害、パンデミックなどである。これらの問題は1国や数か国では解決できない。すべての国、地域が協力し、共に努力する事だ。特に大国は解決のため、イニシアチブを発揮しなければならない。これを阻むのが覇権主義、一国主義、貿易保守主義だ。 

 

では「一帯一路」は順風満帆で、全く問題がなく前進しているのだろうか。そんなことはない。「一帯一路」は規模が大きく、これまでに前例のない「新生事物」である。発展途上に、前進途上にさまざまな問題が生まれ、さまざまな矛盾が生じる事は避けられない。まさに問題や矛盾が生まれ、それを実践の中で解決する事で、更なる深化と進歩があるのだ。 

 

人類は「地球号」という巨大な船に乗った「運命共同体」なのだ。この思想、構想と実践の1つが「一帯一路」共同建設なのである。 

 

人民中国インターネット版

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