米国企業が中国市場を引き続き重視しているワケは?
米中ビジネス評議会(USCBC)のラジェシュ・スブラマニアム理事長が率いるハイレベル代表団がこのほど訪中し、米国企業界の両国の経済・貿易の対話に対する支持と期待を伝え、中米間の産業協力と経済貿易交流の健全な発展のために、良い条件を整えた。米国が関税を振りかざしている暗雲の下でも、米国企業の中国市場に対する高い期待は依然として変わっておらず、この選択は非常に貴重で、中国の発展が持つかけがえのない確実性の魅力を反映している。経済日報が伝えた。
こうした確実性は、まず中国の安定した発展の歩みに起因している。今年上半期、中国経済は成長率5.3%という質の高い成果を挙げ、総額は140兆元(1元は約20.5円)に迫っている。中国の世界経済成長に対する寄与率は長年にわたり、30%前後をキープしており、世界の経済発展に重要な下支えを提供してきた。この素晴らしい成果の背後には、一連の政策のリードがあり、合理的に策定され、継続的に実施される五カ年計画と、実務的かつ精密なマクロ政策を通して、中国のために、予見可能な発展の青写真をはっきりと描き出し、企業が発展周期の各種課題に対応できる安定した予測と高い強靭性を提供している。
またこうした確実性は、中国が開放をますます拡大させていくという揺るぎない約束にも起因している。中国は実際の行動で、米国企業を含む世界の企業に成長のチャンスを作り出している。例えば、サービス業の開放を拡大する試験事業155件が加速的に進められ、金融や医療といった分野の新たな可能性が拡大し続けている。そしてグリーントランスフォーメーションという大きな流れが、グリーンエネルギーや二酸化炭素排出量取引、エネルギー貯蔵といった新たな成長分野を生み出し、外資系企業の技術協力のためにブルーオーシャンを切り開いている。また、「地域的な包括的経済連携協定」(RCEP)の質の高い実施が、地域経済の一体化構造性の深化を推進し、外資系企業が中国をハブとして、東南アジア諸国連合(ASEAN)や中東といった新興市場にまで進出できるようサポートしている。USCBCの理事会代表団のメンバーは、「中国のハイレベルで対外開放を拡大し続けるという明確なシグナルは、米国を含む外国企業の対中投資にとって非常に重要だ」との見方を示した。
さらに、こうした確実性は、中国の超大規模な市場が持つ巨大なポテンシャルにも起因している。世界で2番目に大きな消費市場と最大規模の中所得層を有する中国では消費の高度化が勢い良く進んでいる。また、従来型の消費を見ても、まだ大きな成長の余地がある。サービス消費を見ても、力強い成長を見せている。2024年、中国の住民一人当たりのサービス消費支出が、一人当たりの消費支出に占める割合は46.1%に達したのに対し、先進国では、一人当たり名目GDPが1万ドル(1ドルは約147.1円)を超えると、サービス消費支出が占める割合が50%を超えるケースが多いことを考えると、中国市場の成長に余地が期待できることは明らかだ。これは、外資系企業が中国市場で踏み込んだ事業展開をするために、さらに広大な新天地を切り開いてもいる。中国市場の競争に踏み込んで参加することは、多国籍企業が世界シェアを固め、スケールメリットを生かし、技術の飛躍を実現するための戦略的な支点となっている。
こうした確実性は、中国で力強さを維持するイノベーションの原動力にも根ざしている。DeepSeek(ディープシーク)の世界的な躍進から、宇樹科技(Unitree Robotics)のロボット技術のブレイクスルーに至るまで、中国は今、テクノロジーイノベーションのカギとなる節目に突入している。グリーン化やデジタル化、スマート化のトランスフォーメーションが加速する中、強力な産業支援能力を背景に、中国は新たなテクノロジー革命の最適な実験場となっている。今後は、バイオものづくりや量子テクノロジー、エンボディドAIといった新興分野での継続的な開拓が、外資系企業のために、さらに大きな発展の可能性を切り開くことは間違いない。
USCBCの最新報告によると、米国企業の82%が中国において利益を出している。この数字は、「米国が損をしている」という主張を覆している。米国商務省の統計によると、2001年から2023年までの間、米国の対中サービス貿易黒字は11.5倍に拡大して265億7000万ドルに達している。さらに、2022年、米国系企業の中国における売上高は4905億2000万ドルに達しており、同期の中国系企業の米国における売上高の6倍以上となっている。物品貿易やサービス貿易、双方向の投資利益を総合的に検討すると、中国と米国の経済・貿易協力の本質は、優位性の相互補完と互恵的なバランスを基礎とするウィンウィンの構図であることが分かる。
歴史が繰り返し証明しているように、経済・貿易の問題を政治化し、企業に立場を選ばせるような強要は、経済の法則に反しているだけでなく、両国の根本的利益をも損なうものだ。中国と米国が協力すれば共に利益を得ることができるのに対して、対立すれば両方が傷を負う。確実性とチャンスを兼ね備えた中国という豊かな大地は、常にウィンウィンを信じるすべての企業に門戸を開いている。開放と協力という正しい道を進んでこそ、両国、そして世界のために繁栄した未来を築くことができるだろう。(編集KN)
「人民網日本語版」2025年8月8日