中国共産党第20回全国代表大会における報告(全文)
社会主義現代化国家を全面的に建設して中華民族の偉大な復興を全面的に推し進めるカギは党にある。わが党は世界最大のマルクス主義の政権党であり、常に人民の支持を得て長期執政者としての基盤をうち固めるためには、巨大政党特有の難題を解決する冷静さと確固たる信念を常に持ち続けなければならない。第18回党大会以来の全面的な厳しい党内統治を経て、われわれは党内の多くの際立った問題を解決したものの、党が直面する執政・改革開放・市場経済・外部環境の試練は今後も長期にわたって存在し続け、気の緩み、能力不足、大衆からの遊離、消極腐敗の危険も長く存在し続ける。全党がしっかりと銘記しなければならないのは、全面的な厳しい党内統治の道に終わりはなく、党の自己革命の道にも終わりはなく、一休みしようとか、諦めようとかいう気持ちは決して許されず、全面的な厳しい党内統治を粘り強く推し進め、新時代の党建設の新たな偉大なプロジェクトをいっそう推し進め、党の自己革命によって社会革命を導かなければならないということである。
われわれは新時代の党建設の全般的要請を貫徹し、全面的な厳しい党内統治体系を整備し、党の自己浄化、自己改善、自己革新、自己向上を全面的に推し進めて、わが党が初心・使命を守り抜き、終始中国の特色ある社会主義事業の強固な指導的核心であり続けるようにしなければならない。
(一)党中央の集中的・統一的指導を堅持・強化する。党の指導は全面的・系統的・一体的なものであるため、全面的・系統的・一体的に貫徹しなければならない。全局を統括し各方面を調和させる党の指導制度体系を整備し、党中央の重要政策決定・配置の徹底を促す仕組みを整備し、全党が政治的立場、政治的方向、政治的原則、政治的道筋において党中央と高度の一致を保つことを確保し、党の団結・統一を確保する。党中央の政策決定・議事・調整機構を整備し、重要活動に対する党中央の集中的・統一的指導を強化する。党の政治建設を強化し、政治規律と政治規則を厳しくし、各級の党委員会(党組)の主体的責任を徹底し、各級の党組織・党員幹部の政治的判断力、政治的理解力、政治的執行力を高める。科学的執政、民主的執政、法に基づく執政を堅持し、民主集中制を貫徹し、指導方式を革新・改善し、党の「方向をとらえ、大局をはかり、政策を定め、改革を促す」能力を高め、各方面の積極性を引き出す。党内政治生活の政治性・時代性・原則性・戦闘性を強化し、批判と自己批判という武器を活用し、党内の政治生態を持続的に浄化する。
(二)新時代の中国の特色ある社会主義思想によってたゆまず心を結束させ魂を磨く。党の革新的理論によって全党を武装することは、党の思想建設のための根本的任務である。党の思想建設を全面的に強化し、新時代の中国の特色ある社会主義思想をもって思想・意志・行動を統一することを堅持し、党の革新的理論学習・教育計画を立案して実施し、マルクス主義の学習型政党を建設する。理想・信念教育を強化し、全党が党の趣旨を胸に刻み、世界観・人生観・価値観という「思想の元栓」の問題をしっかりと解決し、自らすすんで共産主義の遠大な理想と中国の特色ある社会主義の共通の理想の確固たる信奉者、忠実な実践者となるよう導く。学習・思考・運用に一貫性をもたせ、認識・信念・行動を一致させることを堅持し、新時代の中国の特色ある社会主義思想が信念を固め、党性を磨き、実践を導き、活動を推し進める強大な力に変わるようにする。理論による武装と常態化・長期有効化した党史の学習・教育の結合を堅持し、党員・幹部が歴史を学ぶことによって道理をわきまえ、自信を固め、道徳を尊び、行動に移すよう導き、革命の遺伝子を受け継ぎ、革命の血脈を伝える。県・処級以上の指導幹部を重点に、全党でのテーマ教育を踏み込んで行う。
(三)党の自己革命制度・規範体系を整備する。制度・法規に基づく党内統治を堅持し、党規約を根本として、民主集中制を核心とし、党内法規・制度体系を整備し、党内法規の権威性と執行力を強化し、真理を守り、誤りを改め、問題を見つけ、歪みを正す仕組みを形成する。統一的に指導する、全面的にカバーする、権威ある効果的な党の監督体系を整備し、権力に対する監督・規制の仕組みを整備し、党内監督を主導とし、各種監督の連結・協調を促し、監督の下で権力を正しく行使する。政治監督の具体化・的確化・常態化を推し進め、最高責任者と指導グループへの監督の実効性を強化する。政治巡視の「鋭い剣」の役割を果たし、巡視後の改善・是正と成果の運用を強化する。全面的な厳しい党内統治の政治的責任を徹底し、問責という武器をしっかりと用いる。
(四)民族復興の重責を全うする資質の髙い幹部を育成する。社会主義現代化国家を全面的に建設するには、政治面でしっかりした、新時代の要請に適う、現代化建設を指導する能力を備えた幹部が必要である。党が幹部を管理する原則を堅持し、才徳兼備、徳の優先、全国各地から優れた人材のみを任用することを堅持し、新時代の優秀幹部基準を徹底させる。人材の選抜・任用の正しい方向性を確立し、党に忠誠を尽くし清廉潔白を貫き責任を果敢に担うことができる、資質の高い専門化した幹部を選抜し、各級指導グループを優秀な人材で強化する。政治的基準を最優先することを堅持し、幹部の政治的資質に対する審査を徹底的かつ着実に行い、とりわけ政治の関門、廉潔の関門をしっかりと守る。実践による鍛錬、専門訓練を強化し、大きな闘争の中で幹部を鍛えることを重視し、幹部の質の髙い発展を推進する能力、大衆に奉仕する能力、リスクを防止・解消する能力を向上させる。幹部の闘争精神と闘争能力の育成を強化し、リスクを防止する能力、試練に立ち向かう能力、重責に耐えうる能力の増強に力を入れる。幹部が率先して責任を負い、平時は手本を示し、肝心な時には先頭に立ち、危難の時には命がけで取り組むようにする。幹部の考課・評価体系を整備し、幹部が正しい治績観を確立し実践するよう導き、幹部の昇格・降格や登用・免職の関連制度を実施し、能力ある者は昇格し、優秀な者は奨励され、凡庸な者は降格し、卑劣な者は処分を受けるという良い状況をつくり出す。後継者の育成という根本的な大計にしっかりと取り組み、優れた青年幹部の養成・選抜の常態化した仕組みを整え、末端や困難地区に出向して自らを鍛え成長することを青年幹部養成の重要な方途にする。女性幹部の養成・選抜を重視し、女性幹部のもつ重要な役割を発揮させる。少数民族幹部を養成し、その役割を果たすことを重視し、非共産党員幹部に関する業務を統一的計画に基づいてしっかりと行う。定年退職した幹部に関する業務をしっかりと行う。公務員に関する業務を強化・改善し、各機構の定員を適正化する。厳格な管理と手厚い配慮との同時重視を堅持し、幹部に対する全方位管理と日常的監督を強化し、「三つの区別すべきこと」を実行し、幹部が果敢に責任を担い積極的に行動するよう奨励する。末端の幹部、とくに困難地区の幹部を思いやり配慮する。
(五)党組織の政治機能・組織機能を強化する。厳密な組織体系は党の優位性であり、強みである。各級の党組織は、党規約に与えられたさまざまな職責を履行し、党の路線、方針、政策と党中央の決定・配置をしっかりと貫徹・実行し、各分野の広範な大衆をしっかりと組織し結束させなければならない。末端党組織のさらなる強化という明確な方向を堅持し、党建設の徹底によって農村振興を促し、都市コミュニティの党建設活動を強化し、党建設をもって末端統治の指導を推し進め、非力な末端党組織を持続的に整頓し、末端党組織を党の指導を効果的に実現させるための強固な砦にする。政府機関における党建設の質を全面的に向上させ、事業体の党建設活動を推進する。国有企業、金融企業がコーポレートガバナンスを改善していく中で党の指導を強化するよう推進し、混合所有制企業、非公有制企業の党建設活動を強化し、産業協会、学会、商工会議所における党建設活動の管理体制を調整する。新たな経済組織・社会組織・就業層における党建設を強化する。青年・産業労働者・農民・知識人からの党員獲得を重視し、党員、とくに流動党員の教育・管理を強化・改善する。党内民主制度を実行し、党員の権利を保障し、党員が前衛として模範的役割を果たすよう奨励する。不適格な党員に対して厳正かつ穏当に対処し、党員の先進性と純潔性を保つ。
(六)厳正を基調とした気風の是正と綱紀の粛正を堅持する。党風の問題は政権党の存続にかかわっている。党の優れた伝統と気風を発揚し、党員幹部、とくに指導幹部が率先して深く調査・研究し、実のある仕事に励み、現実的な措置を講じ、実効を求めるよう促す。中央の「八項目規定」の精神をたゆまず貫き、「カギとなる少数(指導幹部)」をしっかりとおさえて上が下に手本を示し、「四つの悪風」の是正を持続的に深化させ、形式主義と官僚主義を重点的に正し、特権意識・特権濫用を断固取り除く。気風建設の地域的・業種的・段階的特徴を把握し、普遍的にみられ繰り返し起こっている問題に踏み込んで対処し、気風建設の常態化・長期有効化を推し進める。党規律の徹底を全面的に強化し、指導幹部とくに高級幹部が自らを厳しく律し、責任をしっかりと負い、管下を厳格に管轄するよう強く促し、党の規律に違反する問題に対し、見つけ次第例外なく断固調査し処分する。党性・党風・党規律に同時に取り組むことを堅持し、思想面で基盤を固め、党性面の自覚を強く持ち、腐敗を拒んで変質を防ぐ能力を強め、「富貴も淫する能はず、貧賤も移す能はず、威武も屈する能はず」という浩然の気を養う。
(七)断固として反腐敗闘争堅塁攻略戦・持久戦に勝利する。腐敗は党の生命力と戦闘力を害する最大の癌腫であり、反腐敗は最も徹底的な自己革命である。腐敗の温床が存在する限り、反腐敗闘争は一刻たりとも止めてはならず、永遠に総攻撃の勢いで取り組まなければならない。汚職する勇気をくじくこと、汚職を不可能にすること、汚職する意欲をそぐことの一体的推進を堅持し、同時に、同方向に、総合的に力を入れる。「ゼロ容認」の姿勢で腐敗の撲滅に取り組み、新たな腐敗を力強く食い止め、既存の腐敗をより効果的に取り除き、政治とカネの問題が絡み合う腐敗を断固取り締まり、指導幹部が利益集団と有力団体の代弁者や代理人になることを断固防ぎ、政治生態と経済成長を乱す政財界の癒着問題を断固として処理し、決して見逃さない。権力集中・資金密集・資源潤沢の分野の腐敗をしっかりと取り締まり、大衆の身近の「腐敗を働くハエ」を断固として処罰し、指導幹部の配偶者、子女、子女の配偶者などの家族や側近がその影響力を利用して私利を貪る問題を断固調査して処罰し、贈収賄の同時摘発を堅持し、これまでにない形の腐敗と隠れた腐敗を処罰する。反腐敗の国際協力を深化させ、逃亡者指名手配・逃亡防止・不正蓄財追跡の仕組みを一体的に確立する。末梢と根本の兼治を深化させ、反腐敗に関する国家法の制定を推し進め、新時代の清廉文化の建設を強化し、広範な党員・幹部が汚職する気を起こさないという自覚を高め、人として清廉潔白に、私心なく仕事をするよう教育・指導を行い、厳しい処罰・権力規範化・教育指導を緊密に結びつけてバランスよく相互促進し、絶えずより多くの制度面の成果とより大きなガバナンスの効果をあげていく。
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