2014年政府活動報告

 

Ⅲ. 2014年度の重点活動

今年度の政府活動を成し遂げるには、改革の深化を大きな原動力とし、構造の調整を主力を傾ける方向とし、民生の改善を根本的な目的として、統一的な計画のもとで各方面に配慮し、重点を際立たせ、実際に結果を出していくことが求められる。

(一)重要分野の改革における新たな突破の実現を促す

改革は今年度の政府活動で最も重要な任務である。経済体制の改革を重点として、状況別・類別に推し進め、その舵取りが全局に影響を与えうる改革措置にしっかりと取り組み、全力で実質的な進展を達成し、「改革紅利」をより多く解き放たなければならない。

行政体制の改革を踏み込んで推し進める。行政の簡素化と下部への権限委譲をいっそう進めることは、政府自体の革命である。今年度は行政審査・認可事項の撤廃や下部への委譲をさらに200件以上行うこととする。投資審査・認可制度の改革を深化させ、事前審査・認可の手続きの取り消しや簡略化を行い、企業の投資自主権をしっかりと確保し、投資・起業の利便化を推し進める。絶対に設置が必要な行政審査・認可事項に関しては、権限を明文化する詳細リスト制度を確立し、一律に社会に公開する。詳細リストに載っていないものは、審査・認可の実施を一律に禁じる。非行政審査・認可事項を全面的に整理する。省・市・県の政府機関の改革を基本的に完了させ、事業体の改革を引き続き推し進める。全国で工商登記制度の改革を実施し、授権資本登記制を着実に実施し、「行政許可書(認可)が先、営業許可書(登録)が後」になっている手続きの順序を「営業許可書が先、行政許可書が後」に改め、企業の年度検査制度を年度報告公示制度に改めて、市場の主体から新たな活気がどんどん迸り出るようにする。

事中・事後の監督管理を強化する。あくまでも緩和と管理を両立させ、縦横連動協同管理の仕組みを構築し、責任と権限とがそろって下部へ委譲され、緩和・活性化と監督管理とがそろって徹底されるようにする。「ワンストップ式の審査・認可」、「窓口の一本化」を広げ、統一的な市場の監督管理の実施を模索する。また、社会信用体系の整備を加速させ、政府各部門の情報の共有を推進し、自然人と法人それぞれの統一コード制の構築を推し進め、市場競争の原則に背いて消費者の権利・利益を損ねている企業に対するブラックリスト制度を確立し、信用のないものが何もできないようにし、信用を守るものが存分に活躍できるようにする。

財政・税務体制の改革という「重要演目」にしっかりと取り組む。全面的で規範化され、オープンで透明な予算制度を実施する。すべての政府系収入を予算の枠に組み入れることに力を入れ、一括した予算管理を行う。各級政府の予算と決算を社会に向けて公開し、各部門の予算を基本支出と項目支出に至るまで徐々に公開し、財政でまかなわれている「三公」経費をすべて公開し、「陽光財政」を築き上げて、大衆が見て分かり、監督できるようにしなければならない。一般的移転支出の割合を引き上げる一方、特別移転支出は項目を3分の1削減し、今後さらに削減していく必要がある。税制改革を推し進め、「営業税から付加価値税への切り替え」の試行範囲を鉄道運輸、郵政サービス、電信などの業種にまで拡大し、雑多な料金・費用徴収を整理して各種の税を設け、消費税・資源税の改革を促し、不動産税・環境保護税の立法関連作業をしっかりと行う。小企業・零細企業に対する租税優遇の範囲をさらに広げて、企業の負担を軽減する。中央と地方の権限と支出責任の調整についてしっかりと検討を行い、中央と地方の収入の区分を徐々に合理化し、現行の財政力の枠組みの全体的な安定を維持する。規範に則った地方政府の借入れによる資金調達の仕組みを構築し、地方政府債務を予算管理に組み入れ、政府総合財務報告制度を実行し、債務のリスクを防ぎ、解消する。

金融体制の改革を深化させる。引き続き金利の市場化を推し進め、金融機関の金利自主決定権を拡大する。人民元為替レートの合理的でバランスのとれたレベルでの基本的安定を保ち、為替レートの上下双方向の変動許容幅を広げ、資本勘定における人民元の交換性を高めていく。民間資本による中・小銀行などの金融機関の設立を着実に推し進め、民間資本による金融機関や融資仲介サービス機構への出資・投資を誘導する。預金保険制度を構築し、金融機関のリスクに対する対応の仕組みを整える。政策金融機関の改革を実施する。多層的な資本市場の発展を加速させ、株式発行登録制の改革を推し進め、債券市場の規範化と発展をはかる。農業保険を積極的に発展させ、巨大災害保険制度の構築を模索する。「金融包摂」を発展させる。インターネット金融の健全な発展を促し、金融監督管理協調メカニズムを充実させ、クロスボーダーの資本移動を注意深くモニタリングし、金融の系統性(システミック)リスクと地域性(リージョナル)リスクが発生しないよう限度ラインをしっかりと守る。金融を言わばこんこんと流れる水のようにして、小企業・零細企業や「三農」(農業・農村・農民)といった実体経済の木々をよりよくうるおすようにする。

各種の所有制経済の活力を増強する。基本的経済制度を堅持し、完全なものにする。国有経済の配置と構造を最適化し、混合所有制経済の発展を加速させ、現代企業制度と企業統治(コーポレート•ガバナンス)構造を確立して健全なものにする。国有資産管理体制を充実させ、各種国有企業の機能を的確に区分し、国有資本投資運営会社のテスト作業を推し進める。国有資本経営予算を充実させ、中央企業の国有資本経営の収益から公共財政予算への繰り入れの割合を引き上げる。中央企業の投資プロジェクトへの非国有資本の参入規則を策定し、金融、石油、電力、鉄道、電信、資源開発、その他公益事業の分野で非国有資本に向けた投資プロジェクトを数多く打ち出す。また、非公有制企業の特許経営分野への参入に関する細則を制定する。鉄道事業への投融資体制の改革を実施し、より多くの分野で競争性のある業務を自由化して、民間資本に大いに本領を発揮できる舞台を提供する。財産権保護制度を充実させて、公有制経済の財産権が侵害されてはならないのと同様に、非公有制経済の財産権も侵害されてはならないようにする。

(二)ハイレベルの対外開放の新たな局面を切り開く

開放と改革は常に一緒に進むものであり、お互いに促進しあうものである。開放型経済の新たな体制を築き、新たな対外開放を推し進め、国際市場という洋々たる大海原の荒波に立ち向かい、開放の力を活かして抜本的な改革と構造の調整を促し、国際競争における新たな優位を早急に育まなければならない。

全方位の主動的な開放を拡大する。積極的かつ効果的な外資利用を堅持し、サービス業の開放の拡大を促進するとともに、内資企業と外資企業が平等な待遇を受け、公正に競争する市場環境を維持して、中国が引き続き外国投資家が真っ先に選ぶ投資先となっていくようにする。中国(上海)自由貿易試験区をしっかりと整備・管理し、他の地域でも使える模範的な体制・仕組みを築き上げて、新たな試行作業をいくつか繰り広げる。内陸部と辺境地区の開放を拡大し、その広大な大地を対外開放のホットスポットに変える。

戦略的次元から輸出の高度化と貿易のバランスのとれた発展を推し進める。今年度の輸出入総額は7.5%前後の伸びを所期目標とする。輸出政策の安定化・充実化をはかり、通関の利便化改革を加速させ、クロスボーダー電子商取引の試行範囲を広げなければならない。輸入奨励政策を実施して、国内の品薄製品の輸入を増やす。加工貿易のパターン転換・高度化を導き、企業の自主ブランドや国際販売網の構築をサポートし、サービス貿易とサービス・アウトソーシングの受注を発展させ、中国製造業の国際分業における地位を引き上げる。通信・鉄道・発電所などのプラント輸出を奨励し、中国製設備の水準の高さが世界中に知られるようにする。

 

 

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