携帯電話の画面を修理する?

2023-02-07 15:47:14

鄭遠=文

鄒源=イラスト


と妍は結婚して7年目で、どちらも職場で懸命に働き、それぞれの交友関係と顧客を持っていた。家に帰っても、二人の携帯電話は呼び出し音やショートメッセージの着信音がひっきりなしに鳴り響いていた。 

互いへの忠誠を示すため、鋭と妍はどちらも携帯電話のロックナンバーを設定しておらず、そのために互いの携帯電話の中身を自由に確認できた。それだけでなく、どちらの携帯電話が鳴っても、自分が手が離せないときには、相手に出てもらっていたのだが、それがしばらくして問題になった。 

鋭の電話は女性からのものが多く、妍の電話は男性からのものが多かったので、夫婦関係に亀裂が生じた。鋭が妍の代わりに出ると、「あ、男からだ」となり、次に出てもやはり男から。鋭は不機嫌になり、口にはしないものの、内心ではどうしてお前の電話はいつも男からなんだと不満たらたらだった。 

妍が鋭の代わりに出ると、出る電話出る電話、女からのものだった。妍は快く思わず、鋭に比べ遠慮のない性格なので、鋭の電話に出た後しばしば彼に、「彼女は誰? 何の用なの?」と聞いた。 

二人が特に怪しんだのは、電話に出てこちらが「もしもし」と言うなり、相手が一声もしゃべらなくなる、あるいはかけ間違えたなどと言い訳をして、そそくさと電話を切るようなときだった。実際には当然の話で、知らない声が聞こえてきたので、かけ間違えたと思って切っただけだ。しかし夫婦の間ではこれも異常なこととなり、鋭と妍はお互いに、相手に隠し事があるのではないかと疑った。 

疑えば疑うほど、相手の携帯電話を調べたくなる。調べてみると、また疑わしいものが見つかる。 

ある時、妍が鋭の携帯電話で見つけたショートメッセージに、「携帯電話は人類の一番偉大な発明で、あなたは私の最も偉大な発見だ」と書かれていた。それは鋭の同僚の朱さんから来たものだった。妍に問い詰められた鋭は、「この類のショートメッセージ、君は受け取ったことないの?今はどこでもこんなのばっかりで、全部おふざけだよ」と何でもないとばかりに言った。 

妍は「これ以上おふざけするなら、もう私たちはおしまいよ! あなたと朱さんはいったいどういう関係なの?」と言った。 

鋭がどう説明しようとも、妍は信じなかった。鋭はいら立ち、携帯電話を地面にたたきつけ、「もう携帯電話なんて絶対に使ってやるもんか!」と言った。 

そうは言ったものの、鋭も妍もそれは不可能だった。職場で働くにも、携帯電話は不可欠なものだった。鋭はやはり携帯電話を使った。幸いなことにその携帯電話は画面が壊れただけで、電話をかけたり受けたりするのは問題なかった。ただ、通知を見たり、調べたりすることはできなかった。 

自然、妍は鋭の携帯電話から自分の悩みを見つけ出すことができなくなり、気にもしなくなった。すると、彼女の気分も上向いてきた。鋭は妍が自分の携帯電話を気にしないので、彼女の携帯電話もチェックしにくくなったが、すると思いがけないことに、鋭も気が晴れてきた。 

二人はかつての親密さを取り戻した。 

ある週末、二人は初めて早々に各自の携帯電話の電源を切り、静かに、そして少しアンニュイに抱き合って、とてもロマンチックなピアノ曲を聞いた。曲はとても美しく、そのときの気分にぴったりだった。しかし、二人はそれぞれ心の中で、同じ問題について考えていた。「携帯電話の画面を修理すべきだろうか?」 

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