社会主義現代化国家を全面的に建設するために団結奮闘しよう 

——中国共産党第20回全国代表大会における報告  

（2022年10月16日）  

習近平  

同志のみなさん　  

ただいまより、私は第19期中央委員会を代表して、大会に報告を行う。  

中国共産党第20回全国代表大会（第20回党大会）は、全党・全国各民族人民が社会主義現代化国家の全面的建設という新征途につき、2つ目の100周年の奮闘目標を目指して突き進む肝心な時に開催を迎えた非常に重要な大会である。  

今大会のテーマは次のとおりである。中国の特色ある社会主義の偉大な旗印を高く掲げ、新時代の中国の特色ある社会主義思想を全面的に貫徹し、偉大な建党精神を発揚し、自信をもって自強をはかり、根本を貫いて革新を起こし、意気盛んに、勇気凛々と、社会主義現代化国家を全面的に建設するために、中華民族の偉大な復興を全面的に推進するために、団結奮闘しよう。  

中国共産党は百年にわたる奮闘の道のりを歩んできた。わが党は中華民族の千秋の偉業の志を立て、人類の平和と発展という崇高な事業に力を尽しているが、その責任はこの上なく重く、その使命はこの上ない栄誉である。全党の同志は必ず、初心を忘れず、使命を胸に刻む必要があり、謙虚かつ慎重に取り組み、刻苦奮闘する必要があり、果敢に闘争し、巧みに闘争する必要があり、歴史への自信を固め、歴史の主導権を強く握り、新時代の中国の特色ある社会主義の歴史にいっそう輝かしい1ページを刻まなければならない。  

一　過去5年の活動と新時代の10年の偉大な変革  

第19回党大会からの5年、それはきわめて特殊で、きわめて特異な5年であった。党中央は中華民族の偉大な復興への戦略的全局と世界の百年に1度の大きな変動とを総合的に勘案し、7回の全体会議を開き、憲法の改正、党・国家機構改革の深化、中国の特色ある社会主義制度の堅持・改善と国家統治体系・統治能力の現代化の推進、第14次5カ年計画と2035年までの長期目標の策定、党の百年奮闘の重要な成果と歴史的経験の全面的総括など重要課題の決定・決議、党・国家事業の発展についてそれぞれ重要な戦略的配置を行い、全党・全軍・全国各民族人民を団結させ率いて、厳しく複雑な国際情勢と後を絶たない大きなリスク・課題に効果的に対応し、積極果敢な精神で新時代の中国の特色ある社会主義を絶えず前へと推し進めた。  

この5年、われわれは、党の全面的指導と党中央の集中的・統一的指導の強化を堅持し、小康社会の全面的完成のプロセスを全力で推し進め、新たな発展理念を完全に、正確に、全面的に貫徹し、質の高い発展の促進に力を入れ、新たな発展の形を自ら構築し、改革を迅速かつ着実に推し進め、全過程の人民民主をしっかりと推し進め、法に基づく国家統治を全面的に推進し、社会主義の先進的文化を積極的に発展させ、民生の保障・改善を重視し、力を集中して貧困脱却堅塁攻略戦を実施し、生態文明建設を強力に推し進め、国家の安全を断固として守り、重大リスクを防止・解消し、社会の大局の安定を保ち、国防・軍隊現代化建設を強力に推し進め、中国の特色ある大国外交を全方位で展開し、党建設の新たな偉大なプロジェクトを全面的に推し進めた。われわれは中国共産党創立100周年、中華人民共和国成立70周年を盛大に祝い、3つ目の歴史決議を採択し、党を挙げて党史の学習・教育を展開し、中国共産党歴史展覧館を完成させ、全党に偉大な建党精神を学習・実践し、新征途においていっそう確固として、いっそう自覚をもって、初心・使命を胸に刻み、明るい未来を切り開くことを呼びかけた。とくに、突如として発生した新型コロナウィルス感染症を前にして、われわれは人民至上・生命至上を堅持し、海外からの輸入感染防止と国内での再発防止を堅持し、揺るぐことなく「動的ゼロコロナ」を堅持し、感染症対策の人民戦争、総力戦、阻止戦を展開し、人民の生命の安全と身体の健康を最大限に守り、感染症対策と経済・社会発展の両立において重要で前向きな成果を収めた。揺れ動く香港の情勢を前に、われわれは特別行政区に対する全面的な管轄統治権を憲法と基本法に則って効果的に運用し、香港特別行政区国家安全維持法を制定・実施し、「愛国者による香港統治」の原則を徹底したことで、香港の情勢が混乱から安泰へと大きな転換を遂げた。粤港澳（広東・香港・澳門）大湾区建設をいっそう進め、香港と澳門の経済発展、民生改善、安定維持を支援した。「台湾独立」勢力による分裂活動と外部勢力による台湾の事柄への干渉というゆゆしき挑発を前に、われわれは徹底して分裂反対・干渉反対の重要な闘争を展開し、国家の主権と領土保全を守って「台湾独立」に反対するわれわれの確固たる決意と強大な能力を示し、祖国の完全統一を実現する戦略的主導権をいっそう強く握り、一つの中国を認める国際社会の枠組みをいっそう強固なものにした。国際情勢の急激な変化を前に、とりわけ外部からの威嚇、抑制、封鎖、極限の圧力を前に、われわれは国益を重視して国内政治を優先させることを堅持し、戦略的不動心を保ち、闘争精神を発揚し、強権を恐れないという確固たる意志を示し、闘争の中で国家の尊厳と核心的利益を守り、わが国の発展と安全の主導権をしっかりと握った。この5年、わが党は人民を団結させ率いて、長年解決できなかった数多くの難題を克服し、未来にかかわる数多くの大事・要事を成し遂げ、党と国家の事業において世界の注目を集める大きな成果を収めた。  

同志のみなさん　第18回党大会の開催からすでに10年が経った。この10年、われわれは党と人民の事業に重要な現実的意義と深遠な歴史的意義を持つ3つの大きな出来事を経験した。1つ目は、中国共産党創立100周年を迎えたこと、2つ目は、中国の特色ある社会主義が新時代に入ったこと、3つ目は、貧困脱却堅塁攻略と小康社会の全面的完成という歴史的任務を完遂し、1つ目の100周年の奮闘目標を達成したことである。これは中国共産党と中国人民が団結奮闘してかち得た歴史的勝利であり、中華民族発展史に輝く歴史的勝利であり、また世界に大きな影響を及ぼす歴史的勝利であった。 

10年前、改革開放と社会主義現代化建設が大きな成功を収め、党建設の新たな偉大なプロジェクトが著しい成果を収めたことで、われわれが前へと進み続けるために固い基盤が築かれ、良い条件がつくり出され、重要な保障となった。一方で、長期にわたって蓄積され、あるいは新たに表面化した際立つ矛盾や問題を早急に解決しなければならなかった。党内には党の指導の堅持に対する認識が甘く、行動力に欠けるという問題や、党の指導の徹底において弱体化・空洞化・希薄化するという問題が多く存在しており、一部の党員と幹部の政治信念は揺らぎ、一部の地方と部門で形式主義・官僚主義・享楽主義・贅沢浪費の風潮は止まず、特権意識を持ち特権を濫用する現象は深刻化し、一部の汚職・腐敗の問題は驚くべきものであった。経済の構造的・体制的矛盾が際立ち、発展は不均衡・不調和・持続不可能となり、従来の発展パターンを継続することは難しく、いくつかの体制・仕組み上の根深い問題と既得権益の垣根が日に日に表面化した。一部の人は中国の特色ある社会主義政治制度への自信が足りず、法律があってもそれに則らず、厳しく執行しないなどの問題が多くみられた。拝金主義・享楽主義・極端な利己主義・歴史ニヒリズムなどの誤った思潮が時折現れ、ネット世論は混乱をきわめ、人々の思想や世論の動向に大きな影響を及ぼした。民生の保障には多くの脆弱部分がみられた。資源・環境の制約がますます逼迫し、環境汚染などの問題が際立った。国家安全保障制度は完全ではなく、さまざまな重大リスクへの対応能力が弱く、国防・軍隊現代化には多くの不足部分や脆弱部分がみられた。香港・澳門は「一国二制度」を実施するための体制・仕組みが不十分であった。国家の安全保障が強く脅かされた。当時、党内外の多くの人々が党と国家の将来に不安を感じていた。党の長期的執政、国家の長期的安定、人民の幸福と安心に影響を及ぼす際立った矛盾や問題を前に、党中央は時勢を見極めた上で果敢に選択し、鋭意まい進し、難関を攻略し、全党・全軍・全国各民族人民を団結させ率いて、腕まくりして物事に取り組み、風雨にも負けずに前へと進み、多くの新たな歴史的特徴を備えた偉大な闘争を敢然と進めてきた。 

この10年、われわれはマルクス・レーニン主義、毛沢東思想、鄧小平理論、「3つの代表」重要思想および科学的発展観を堅持し、新時代の中国の特色ある社会主義思想を全面的に貫徹し、党の基本路線、基本方針を全面的に貫徹し、一連の戦略的措置を講じ、一連の変革的実践を推進し、一連の打開的進展をもたらし、一連の象徴的成果をあげ、政治、経済、イデオロギー、自然界などの面から生じるリスク・課題の試練に耐え抜き、党と国家の事業に歴史的成功と歴史的変革をもたらし、わが国が社会主義現代化国家の全面的建設に向け新征途につくことを推進してきた。