中国共産党第20回全国代表大会における報告(全文)

2022-10-17 16:43:00

二 マルクス主義の中国化・時代化の新境地を切り開く 

 

マルクス主義はわれわれの立党立国、興党興国の根本的な指導思想である。実践がわれわれに教えてくれているように、中国共産党が有能で、中国の特色ある社会主義が優秀なのは、つまるところマルクス主義が有用であり、中国化・時代化したマルクス主義が有用だからである。マルクス主義の科学的理論による指導は、わが党が信奉・信念を固め、歴史的主導権を握る上での根本的なよりどころである。 

マルクス主義の中国化・時代化の推進は真理を求めて明らかにし、そして実践する過程である。第18回党大会以降、国内外の情勢の新たな変化と実践による新たな要請を受け、党・国家事業の発展や党の国政運営にかかわる一連の重要な時代的課題に対し、われわれは、理論と実践を結びつけながらしっかりと答えを出す必要に迫られている。わが党は果敢に理論の模索と革新を行い、新たな視点から共産党の執政の法則、社会主義建設の法則、人類社会発展の法則に対する認識を深め、理論革新において重要な成果をあげた。これらの成果は新時代の中国の特色ある社会主義思想に集中的に体現されている。この思想の主な内容は、第19回党大会と196中全会で「10の明確化」「14の堅持」「13の成果」としてまとめられ、必ず長期にわたって堅持しかつ不断に発展させなければならない。 

中国共産党員は、マルクス主義の基本原理を中国の実情と、中華の優れた伝統文化とを結び付け、弁証法的唯物論と史的唯物論の運用を堅持してこそ、時代・実践の提起した重要な問題に正しい答えを出し、常にマルクス主義のはつらつとして旺盛な活力を保つことができると深く認識している。 

マルクス主義を堅持し発展させるには、中国の実情と結び付けなければならない。われわれがあくまでもマルクス主義を導きとするのは、その科学的な世界観と方法論を用いて中国の問題を解決するためであり、その結論自体や文言を暗誦し、引用するためではなく、ましてマルクス主義を永久不変のドグマにしてはいけない。われわれは思想を解放すること、事実に基づいて真理を追求すること、時代とともに前進すること、真実を求めて実践に励むことを堅持し、何事も現実に立脚し、新時代の改革開放と社会主義現代化建設の具体的な課題の解決を見据えて、絶えず中国の問い、世界の問い、人民の問い、時代の問いに答え、中国の実情と時代の要請に適った正しい答えを出し、客観法則に即した科学的認識を導き出し、時代にふさわしい理論を生み出し、中国の実践をよりよく指導しなければならない。 

マルクス主義を堅持し発展させるには、中華の優れた伝統文化と結び付けなければならない。自国・自民族の悠久の文化の肥沃な大地に根ざしてはじめて、マルクス主義という真理の木が茂るのである。中華の優れた伝統文化の歴史は長く、内容は奥深く、それは中華文明の英知の結晶である。そこに内包する、「天下為公(天下を公と為す)」「民為邦本(民は惟れ邦の本)」「為政以徳(政を為すに徳を以ってす)」「革故鼎新(故きを革め新しきを鼎る)」「任人唯賢(官に任ずるは唯だ賢才をせよ)」「天人合一」「自強不息(自ら彊めて息まず)」「厚徳載物(厚徳もて物を載す)」「講信修睦(信を講じ睦を修む)」「親仁善隣(仁に親しみ隣に善くする)」などの考えは、中国人民の長期にわたる生産・生活の中で積み上げられた宇宙観、天下観、社会観、道徳観の重要な表れであり、科学的社会主義価値観の主張と高度に一致するものである。われわれは歴史と文化への自信を固め、古代の知恵を現代に生かし、古いものから新しいものを生み出し、マルクス主義思想の精髄を中華の優れた伝統文化の精華と通じ合わせ、人民大衆が無意識のうちにもつ共通の価値観と融合させて、科学的理論を鮮明な中国色に染めていき、マルクス主義の中国化・時代化の歴史的基盤と大衆的基盤を不断にうち固め、マルクス主義を中国にしっかりと根ざしたものにしなければならない。 

実践に終わりはなく、理論の革新にも終わりはない。マルクス主義の不断の中国化・時代化を推し進めることは、現世代の中国共産党員の厳かな歴史的責務である。引き続き実践を踏まえた理論革新を推進するためには、何よりもまず新時代の中国の特色ある社会主義思想の世界観と方法論をしっかりとおさえ、それらを貫く立場・観点・方法をしっかりと堅持し、活用していく必要がある。 

――人民至上を堅持する必要がある。人民性はマルクス主義の本質的属性であり、党の理論は人民の中から生まれた、人民のための、人民に幸福をもたらす理論であり、人民の創造的実践は理論革新の尽きることのない源泉である。人民から遊離したいかなる理論も空理空論であり、人民に幸福をもたらすことのないいかなる理論も砂上の楼閣である。われわれは人民立場をしっかりとおさえ、人民の願いを理解し、人民の創造性を尊重し、人民の英知を結集して、人民に喜ばれ、認められ、運用される理論を形成し、それを人民が世界を認識し改造することを指導する際の強大な思想的武器にしなければならない。 

――自信・自立を堅持する必要がある。中国人民と中華民族は近代以降の深刻な苦難から抜け出して偉大な復興の明るい未来に向かって進んできたが、そもそも教科書もなければ、まして出来合いの解答もない。党の百年奮闘の成功の道は党が人民を指導して自ら模索し切り開いたものであり、マルクス主義の中国編は中国共産党員が自ら実践することによって書かれたものである。その要諦の1つは、中国の問題は必ず中国の基本的国情を踏まえて中国人自身で答えを出さなければならない、ということである。われわれはマルクス主義への確固たる信奉、中国の特色ある社会主義への強い信念を堅持し、道・理論・制度・文化への自信をうち固め、より積極的に歴史的責任感と創造の精神をもってマルクス主義の発展のために新たな貢献をしなければならず、状況の変化を考えず頑なに先例にこだわり、閉鎖的な考え方に固執したり、他人のものや外国のものを鵜呑みにしたりしてはいけない。 

――根本を貫いて革新を起こす必要がある。われわれが携わっているのは前人未踏の偉大な事業であり、根本を貫いてこそ、方向を見失うことも、致命的な誤りを犯すこともなく、革新を起こしてこそ、時代を読み、時代をリードすることができるのである。われわれは科学的な態度で科学をとらえて真理の精神で真理を追い求め、揺るぐことなくマルクス主義の基本原理を堅持し、揺るぐことなく党の全面的指導を堅持し、揺るぐことなく中国の特色ある社会主義を堅持するとともに、時代と歩調をしっかりと合わせ、実践の発展に沿って、あらゆる新しい事柄にあふれんばかりの熱意を持ち、絶えず認識をいっそう広げて深め、誰も語ったことのない新たな言葉を言い、誰もしたことのないことをし、新たな理論で新たな実践を導いていかなければならない。 

――問題志向を堅持する必要がある。問題とは時代の声であり、それに答え問題解決を指導するのは理論の根本的な任務である。現在われわれが直面する問題の複雑さや解決の難しさは明らかに増し、理論革新に全く新しい要請を課している。われわれは問題意識を高め、実践の中での新たな問題や、改革・発展・安定にかかわる根深い問題、人民大衆の切実な問題、国際的な変化にみられる重要問題、党建設における際立つた問題にフォーカスして、問題を真に解決するための新たな理念・発想・方法を不断にうち出していかなければならない。 

――系統的なものの見方を堅持する必要がある。世界の万事万物は相互連関・相互依存の関係にある。普遍的連関・全面系統・変化発展の観点から事物を観察してこそ、事物の発展法則をとらえることができるのである。わが国は発展途上の大国として、今なお社会主義の初級段階にあり、広範かつ抜本的な社会変革を経験する中、改革・発展の推進と利益関係の調整は往々にして全局に影響を及ぼしている。われわれは歴史を鑑として現実を見極め、現象を通して本質を見抜き、全局と局部、短期と長期、マクロとミクロ、主要矛盾と従属矛盾、特殊と一般の関係をしっかりととらえ、戦略的思考、歴史的思考、弁証法的思考、系統的思考、革新的思考、法治的思考、最低ライン思考の能力を不断に高めて、党と国家の諸般の事業の先見的思考、全局的構想、全体的推進に向け科学的な考え方を示していかなければならない。 

――世界のためを思うことを堅持する必要がある。中国共産党は中国人民の幸福と中華民族の復興を追求する政党であり、人類の進歩と世界の大同をはかる政党である。われわれは世界的視野を広げ、人類の発展・進歩の流れをしっかりと見極め、各国共通の関心事に積極的に応え、人類共通の課題の解決に貢献し、あらゆる川を受け入れる海のような度量をもって人類文明のすべての優れた成果を取り入れ、よりよい世界の構築を促していかなければならない。 

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