新中国成立70周年祝賀大会 感動広がる 14億の祝祭
特集3 期待から歓喜の8時間——祝賀パレード現場リポ
王朝陽=文
20年前の新中国成立50周年の時、筆者はまだ小学生だった。両親について天安門広場の片隅で見たテーマ山車は、今でも忘れられない。思わぬことに今回、天安門広場から新中国成立70周年の祝賀大会を報道することになり、現場でこの興奮渦巻く祝典を見届けた。
高まる期待
大会の開始まで5時間余り。夜の底の天安門広場には灯火があかあかと輝き、せわしない光景が広がる——早々に配置に付いた記者たちはカメラポジションを決め、機器の調整を行う。清掃車は何度も長安街を走り回る。閲兵式に参加する士官・兵士たちは最後のリハーサルを行う。広場の拡声器からは時々「右向け右!」といった予行の号令が発せられる。祝賀大会に向け、全ての準備が鍛え抜かれた秩序で進行していく。
空が明るくなるにつれ、観衆たちは続々と会場に入って来る。広場は徐々ににぎやかになり、祝賀の雰囲気が高まってくる。多くの人の頬には、国旗や国慶節を祝うシールが貼ってある。国旗を振ったり、祝賀大会の招待状を高く掲げ天安門をバックに記念撮影で大忙しだ。
大会関係者によると、今回の会場には3万人余りの一般人が招かれたという。筆者が取材した人々は、口をそろえて「期待」という言葉を発し開会を待つ気持ちを込めた。
待ちに待った時、広場の大スクリーンで1949から2019までカウントダウンが始まった。「ダダ、ダダ」という時計の振り子の音がすると、騒がしかった広場は静寂を取り戻し、全員が重要な瞬間を息を止めて待った。
喝采のピーク
祝典は10月1日午前10時きっかりに始まった。ドン、ドンと鳴り響く礼砲の中、国旗護衛隊が寸分の違いもなく歩調を合わせやって来る。彼らのさっそうとした雄姿に、観客は歓声をあげる。続く閲兵式。観客席からは拍手と喝采、カメラのシャッター音が鳴り止まない。それは広場に響きわたる勇壮な吹奏楽と相まって、力強い祖国と勇ましい人民軍に対する心からの称賛となる。
習近平国家主席が天安門上から高らかに「偉大なる中華人民共和国万歳! 偉大なる中国共産党万歳! 偉大なる中国人民万歳」と叫ぶと、盛り上がりは最高潮に達した。さらに新型核ミサイル「東風41」の隊列が天安門前に登場すると、驚嘆の声もピークに。続いて広場の上空を飛ぶ戦闘機が7色のスモークを描き出すと、シャッター音が一斉に鳴り響いた。
パレードが行われた長安街からわずか5㍍の観客席にいた私は、閲兵式の迫力に深く心を揺さぶられていた(7)。
感動のパレード
盛大な閲兵式に観衆は心を沸き立たせ(8)、見事なパレードに愛国心を高めた。一つ一つのパレードチーム、1台1台テーマを持った山車が、新中国成立70年の壮大な過程を再現した。そのテーマに合わせ、懐かしい古典とも言える音楽が広場に響き渡った——新中国成立間もない頃の『東方紅』『社会主義好(社会主義は素晴らしい)』、改革開放期の『春天的故事(春の物語)』『在希望的田野上(希望の野原にて)』『走進新時代(新時代へ)』、そして北京オリンピックのテーマ曲『北京歓迎你(北京はあなたを歓迎します)』。誰もがこらえ切れずにメロディーに合わせて手にした紅旗を振り、声を上げて歌った。天安門広場では、3万人余りの観客が心の中で共に母なる祖国の70歳の誕生日を謳歌した。
山車パレードの殿しんがり、「祖国万歳」が登場すると、『我和我的祖国(私と私の祖国)』の情感あふれる歌声と共に、白いハトと色とりどりの風船が広場上空に放たれ、祝賀ムードの熱気はクライマックスに達した。観客は歓声を上げ、飛び跳ね、両腕を振り回し、「祖国万歳!」「祖国よ、愛しています」と絶叫、感動のあまり涙を流す人も少なくなかった。
◇ ◇ ◇
祝典の終了後、天安門広場を立ち去る人々は、口々に「感動的だった」「今までにない素晴らしい式典」「思わず涙が出た」などと感激の余韻に浸っていた。
祝賀大会に中国人民政治協商会議全国委員会のメンバーとして招かれた高洪委員は、「現場で祝典を見て、14億人の中国人がこぞって喜び祝う雰囲気を身をもって感じました」と感極まった様子だった。祝典の熱いムードは、人々の心の底から湧きあがる真しん摯しな愛国の心を、しっかりと中国人の記憶の中に刻み込んだだろう。
上一页124下一页 |