江原規由さんの追悼に寄せて 良き師良き友との別れ

2020-08-14 17:07:00

コロナに阻まれた再会

今年の新年のあいさつとして、江原さんからウイーチャット(中国版LINE)で送られてきた初詣の画像が、私が最後に見た江原さんの姿だ。やせてはいたが元気そうで、以前と変わらぬ笑顔を見せていた。私たちが最後に会ったのは昨年のアジア文明対話大会後で、久しぶりに会った旧友たちが江原さんを取り囲んで旧交を温めた。今年仕事で訪日するかもしれないと言うと、江原さんは大変喜んで、今度は東京で昔話に花を咲かせようと約束した。

 

新型コロナウイルス感染症は全てを変えた。江原さんは感染が拡大してから自宅で仕事をしていたが、ネットなどで『人民中国』の報道をずっと見ていたという。私たちはいつもウイーチャットで近況を報告し合っていた。4月、ずっと帰省できずいら立っていた私は、「正月以来ふるさとにも帰れないままで、母とも電話で話すぐらいしかできず、とても寂しいです」とつぶやくと江原さんは、「私も北京駐在の頃、入院中の母によく電話をしたものです。王さんのお母上は王さんの電話を喜んでいらっしゃると思います」と慰めてくれた。本当に情に厚い方だった。

今になっても江原さんが亡くなったことがとても信じられない。17年間の付き合いで、氏から多くのことを教わった。まぶたを閉じると氏の声や姿がよみがえってくる。氏のような友人は永遠に忘れられないだろうし、氏の生きた証しは忘れられるべきではない。

最後に歌を添えて、江原規由さんの冥福を祈りたい。 

急逝せし友人偲ぶ悲秋かな

噩耗添新愁。痛失扶桑老朋友,旧化悲秋。

 

人民中国インターネット版 2020813

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