中国共産党第20回全国代表大会における報告(全文)

2022-10-17 16:43:00

十 グリーン発展を推し進め、人と自然の調和的共生を促す 

 

 

大自然は人類の生存と発展にかかわる基本的条件である。自然を尊重し、自然に順応し、自然を保護することは社会主義現代化国家を全面的に建設する上での内的要請である。緑の山河は金山・銀山にほかならないという理念をしっかりと確立して実践し、人と自然の調和的共生という視点から発展をはからなければならない。 

われわれは「美しい中国」の建設を推進し、山・川・林・田・湖・原・砂の一体化した保護と系統的な対策を堅持し、産業構造の調整、汚染対策、生態保護、気候変動対策を統一的に考慮し、炭素排出削減・汚染対策・緑化・経済成長をバランスよく推進し、生態環境優先、節約・集約、グリーン・低炭素発展を推し進めなければならない。 

(一)発展パターンのグリーン化を急ぐ。経済・社会発展のグリーン化・低炭素化の推進は質の高い発展を実現する上でカギとなる部分である。産業構造、エネルギー構造、交通運輸構造などの調整・最適化推進を急ぐ。全面的節約戦略を実施し、各種資源の節約・集約利用を推進し、廃棄物の循環利用体系の構築を急ぐ。グリーン発展に資する財政・租税、金融、投資、価格関連政策と基準体系を整え、グリーン・低炭素産業を発展させ、資源・環境要素の市場化配分体系を整備し、省エネ・炭素排出削減先進技術の研究開発と普及・応用を急ぎ、グリーン消費を呼びかけ、グリーンで低炭素な生産方式と生活様式の形成を推し進める。 

(二)環境汚染対策を踏み込んで推進する。的確で、科学的で、法に基づく汚染対策を堅持し、引き続き「青い空、澄んだ水、きれいな土を守る戦い」を踏み込んで繰り広げていく。多種汚染物質の統合的抑制を強化し、重度の大気汚染が基本的になくなるようにする。水資源保護・水質汚濁対策・水界生態系回復を統一的に考慮し、重要河川・湖・ダム湖の生態系保護を推進し、都市の「黒臭水」を基本的になくす。土壌汚染の汚染源対策を強化し、新たな汚染物質への対策を行う。環境インフラ整備の水準を高め、都市・農村の居住環境整備を推進する。汚染物質排出許可制を全面的に実施し、現代的環境ガバナンス体系を整える。環境リスクを厳重に防止・抑制する。中央生態環境保護監察を踏み込んで推進する。 

(三)生態系の多様性・安定性・持続性を高める。国家重点生態機能区、生態保護レッドライン、自然保護地などを重点に、重要生態系の保護・復元に向けた重要プロジェクトの実施を急ぐ。国立公園を主体とする自然保護地体系の整備を推進する。生物多様性保護重要プロジェクトを実施する。大規模な国土緑化キャンペーンを科学的に実施する。集団所有林林権制度改革を深化させる。草原・森林・河川・湖沼・湿地の受動的再生を押し広め、長江での10年間の禁漁をしっかりと実施し、耕地休耕輪作制度を整備する。生態系産物・サービスの価値を高める仕組みを確立し、生態保護補償制度を整備する。バイオセーフティを強化し、外来種被害対策に取り組む。 

(四)二酸化炭素排出量のピークアウトとカーボンニュートラルを積極的かつ穏当に推進する。二酸化炭素排出量のピークアウトとカーボンニュートラルの実現は、広範で抜本的な経済・社会全体にかかわる変革である。わが国のエネルギー賦存に立脚し、「確立が先・廃止は後」という方針を堅持し、二酸化炭素排出量のピークアウト行動を計画に沿って実施する。エネルギー消費総量・原単位抑制を整え、化石エネルギー消費を重点的に抑制し、徐々に二酸化炭素排出総量・原単位ダブル抑制へ移行する。エネルギーのクリーン・低炭素・高効率利用を促進し、工業、建築、交通などの分野のクリーン化・低炭素化を推し進める。エネルギー革命をさらに推進し、石炭のクリーン・高効率利用を強化し、石油・天然ガスをさらに探査・開発し、賦存量・生産量の増加にいっそう力を入れ、新型エネルギー体系の計画・整備を急ぎ、水力発電開発と生態保護を統一的に計画し、原子力発電を積極的に安全かつ秩序立てて発展させ、エネルギーの生産・供給・備蓄・販売体系の整備を強化し、エネルギー安全保障を確保する。二酸化炭素排出算定制度を整え、温室効果ガス排出権取引制度を整備する。生態系の二酸化炭素吸収能力を高める。国際的な気候変動対策に積極的に参与する。 

 

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