研究者が科学技術の革新を担うよう奨励 

第14期全国政協常務委員、民盟中央副主席　陳群（談） 

科学や技術のイノベーションの源泉である基礎研究は、難易度が高く、リスクが高く、サイクルが長いという特徴があり、「十年一剣を磨く」のが普通です。中国は近年、基礎研究の分野で大きな発展を遂げていますが、真にオリジナリティーのある、先導的な成果がまだ不足しています。このような状況を引き起こしている要因は多岐にわたります。例えば、長期的かつ安定した資金支援がないこと、考課評価が頻繁であること、基礎研究の実態に合わない管理が依然として多いことなどが挙げられます。これらはいずれも挑戦的で革新的な課題を選んで、長期的な研究に落ち着いて取り組むことを妨げる原因となっているのです。基礎研究のレベルをさらに高めるためには、基礎研究の法則に即した具体的な取り組みや、基礎研究のイノベーションを促し、失敗を許容する制度的環境づくりが必要です。 

そのためのいくつかの提案をしたいと思います。一つ目は、安定した資金支援の仕組みを確立することで、目標志向の研究を強化すると同時に、自由探求型の基礎研究のためのスペースを確保し、研究者が真に価値のある科学的問題や技術的難題を見つけることができるように支援することです。 

二つ目は、基礎研究の法則に即した評価システムの確立を加速させ、評価を行う専門家に対する信頼性確保制度と評価情報の公開制度の確立・充実を図ることです。基礎研究者向けには、「昇進または退職」（最初の採用期間内に契約目標を達成できなければ、次の採用期間は再雇用しない）の考課モデルを改善し、評価サイクルを延長することで、サイクルが長く、難易度の高い研究を若い研究者に任せることができます。 

三つ目は、研究者に対する過度な負担を軽減するために、科学研究に関連する諸規定を一層最適化・簡素化することです。研究者の基礎研究予算調整の権限をさらに拡大し、科学研究活動における研究者の自主性を高めます。 

四つ目は、基礎研究者の報酬保障メカニズムを健全化し、科学技術成果のインセンティブ化メカニズムを完備し、研究者が長期的に努力して得た成果から、適切な経済収益を享受できるようにします。 

五つ目は、基礎研究に関する政策と研究活動に対する広報を強化し、基礎研究者の名誉感と尊厳を高め、基礎研究を支援し、独創的なイノベーションを追求する良い雰囲気の形成を促します。科学技術イノベーションを担うことができるよう研究者を奨励します。同時に、学問的誠実性の構築を強化し、良好な科学研究環境を創出します。