中国(安徽)自由貿易試験区(以下、安徽自貿区と表記)が昨年9月24日、正式に運営を開始した。これは中国で21番目となる最新の自由貿易試験区である。  なぜ中国政府は中部にある安徽省に自由貿易試験区を設立したのか。安徽自貿区は他の自貿区と比べて、どのような長所や特徴があるのか。中国が質の高い発展に向けて、対外開放をさらに一歩拡大するこの時代に、安徽自貿区はどのような機能を発揮するのか。中国で投資する外国企業にとって、安徽自貿区にはどのようなビジネスチャンスがあり、またどのようなビジネス環境であるのか。  こうした疑問の答えを探すため、昨年末、本誌記者は安徽自貿区を訪れた。当時は安徽自貿区の設立からまだ3カ月しかたっておらず、多くのことがまだ準備中であったが、自貿区計画管理機関の緊張をはらんだ運営、現地の国内外企業の発展状況、未来への期待の中に、安徽自貿区の姿と前途は、すでにかすかに見えてきていた。
近年、安徽省の科学技術イノベーション力の名声も高まりつつある。昨年、中国政府は安徽省の発展を国家重大戦略の中に繰り入れ、中国(安徽)自由貿易試験区の設立を承認し、科学技術イノベーション策源地建設、先進製造業・戦略的新興産業の集中発展を推進し、内陸の対外開放の新たな優勢地をつくり上げようとしている。
世界を見据えた科学技術革新の都
突出した科学技術的特色により、合肥は中国で最も人材を引き付ける都市の一つともなっていて、2001年から17年まで、合肥の人口増加率は全国一であり、人材の純流入率は全国第4位だった。昨年9月時点で全市の人口は1000万人を突破し、合肥は中国の新一線都市に加わった。
中国内陸と世界をつなぐ物流の中心
蕪湖は安徽自貿区の中でも唯一の川に面した自貿エリアで、とりわけ恵まれた地理条件により、港湾型国家物流中枢都市の地位が与えられてきた。現在、安徽自貿区の建設という、より大きな戦略構造の中で、蕪湖は国際物流中枢の機能と使命を担っている。
「デジタル」で「エコ」な自貿区
蚌埠自貿エリアはシリコンベース材料、バイオベース材料、新エネルギーなどの産業を重点的に発展させ、世界クラスのシリコンベース・バイオベース製造センター、安徽省北部地域の科学技術イノベーションと開発・発展のけん引エリアをつくり上げる場所として位置付けられた。
 
近年、安徽省は従来産業のモデルチェンジ・グレードアップと戦略的新興産業の発展・拡大を推し進めている。安徽自貿区が設立され、一連の新メカニズムや新措置が次々と打ち出されたことにより、多くのハイテク企業が安徽省に拠点を構え、省全体の科学技術イノベーションの潜在力は持続的に解放され、質の高い発展の新たなエンジンとなった。
自主イノベーションで先駆者に
スマート生活かなえる「新インフラ」
積極的に新たなチャンス生む
 
ここ数年、安徽省は投資・ビジネス環境の最適化を図り、東西南北の交通の要衝ともいえる地理的優位性を発揮することで、ますます多くの海外資本を引き付けた。自貿区の設立に伴い、域内の外資系企業と越境EC産業はより大きな発展のチャンスを迎えようとしている。
地の利を発揮 企業をサポート
今後は国内市場により密着
新たなチャンスを逃さずに
越境ECで位置付けを明らかに
三菱電機GEMパワー半導体(合肥)有限公司(MEGP社)は合肥自貿エリアで家電集積回路と電子部品を製造している日系企業だ。安徽自貿区が科学技術イノベーションを主導とし、質の高い発展とレベルの高い対外開放を実現する中で、他の日系企業と共に、活力に満ちた風景をつくり出している。  これら日系企業と共に日本人スタッフも安徽や合肥に来ている。彼らは現地の生活に徐々に慣れ、楽しい、充実した中国滞在を送っている。取材中、記者はMEGP社副総経理兼製造部部長の市橋素海さん(55)に出会った。
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